『神神の微笑』 芥川 竜之介 (著)
井沢 元彦の逆説の日本史〈2〉古代怨霊編 (小学館)
のP421 で戦国時代のページでで読んだ「しかし我々の力と云うのは、破壊する力ではありません。造り変える力なのです。」という箇所が気になって読書メモにチェックしていた。どのような文脈で出てきたか思い出せない。
まあ、昨今の役人の公文書書き換え問題にの繋がらないこともないと思う。
青空文庫で見つかったので読んでみた。
『神神の微笑』は、1922年(大正11年)に『新小説』で発表された芥川龍之介短編。「切支丹物」のひとつ。
イエズス会の宣教師オルガンチィーノと奇妙な老人が日本の神々について問答する、意味深な小説だ。いくつかの植物の名前も気になるところだ。暇なときにじっくり読むべきかもしれない。
意味深と言えば、芥川の『西郷隆盛』も青空文庫で読める。
つまり私が申上げたいのは、泥烏須デウスのようにこの国に来ても、勝つものはないと云う事なのです。」
「まあ、御待ちなさい。御前おまえさんはそう云われるが、――」
オルガンティノは口を挟はさんだ。
「今日などは侍が二三人、一度に御教おんおしえに帰依きえしましたよ。」
「それは何人なんにんでも帰依するでしょう。ただ帰依したと云う事だけならば、この国の土人は大部分悉達多したあるたの教えに帰依しています。しかし我々の力と云うのは、破壊する力ではありません。造り変える力なのです。