『逆説の日本史』 25: 明治風雲編 日英同盟と黄禍論の謎 (日本語) 単行本 – 2020/7/3
井沢 元彦 (著)
5つ星のうち4.4 26個の評価
およそ30年も昔『週刊ポスト』でつまみ読みしたこともあって、ちょっと、まとめて読んでみようと(数年前から)第一巻から始めて、ついに25巻まですべて読んでいる(途中飛ばし読みもあるが)。
買って読んだことはない。
名瀬の書店で見かけたのは大河「西郷どん」の年だったと思うが、逆説の日本史20 幕末年代史編3/西郷隆盛と薩英戦争の謎 (小学館文庫)だけだった。
その年は、「英傑の日本史」 西郷隆盛・維新編 (角川文庫)発売日 :井沢 元彦 (著) 2017/8/25を読んでいた。
逆説の日本史は『週刊ポスト』に平成4年(1992年)1月1日号から連載されてからそろそろ30年。
この 第25巻は、歴史学者の井沢批判に対する、著者からの再批判もあって、
井沢節がいちだんと激烈だったようにおもう。
タイトルの”日英同盟と黄禍論の謎”は、どこへいった?と思うほどだったが、大局的には決して破綻はしていない。
激烈と言ってしまったが、しかし井沢節も次第に洗練され、うんざり感もうすくなってきている気がする。
逆説の世界史も出版されているようで井沢史観の適用範囲?は日本史のなかでも一段と広く、深くなって強固になっているようだ。
井沢節とは気づかずに読んでいた脱線話が、つぎつぎと伏線回収され、ときには回収は章をまたぐこともあって、
金太郎あめのような単純さもなくなって説得力を増している。
本書 特別編『逆説の日本史』は<評論の必要はない>
井沢元彦は、<推理小説家に戻る>べきか?。
が、最後にあって呉座反論への再反論もあって、シリーズのダイジェスト版のダイジェストといった締めくくりだ。
急いで立ち読みするにしても、ここは外せない。
反戦歌としてあった演歌の歴史なども新鮮だった。
新鮮といえば、
立憲主義をいうなら、国民の権利自由をもっとも侵害する可能性のある軍隊(自衛隊の英語を直訳すれば日本国防軍)
を憲法にに明記してコントロールするというのが筋ではないか、との主張は、うかつにも初耳だった。
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以下は覚書です。
芸能史もけっこう分量があった。
歴史が学べるはやり歌。
youtube聞きながら読んだ。
オペケペー節 改良節 ダイナマイト節
あと、
「鎌倉」 「広瀬中佐」 「君が代」君は天皇の意味ではない。
「桜井の別れ」西国街道の桜井駅で、楠木正成・正行父子が訣別する逸話
『海行かば』日本の国民歌謡(詞は、『万葉集』大伴家持作の長歌から採られている。
など。
軍歌>抜刀隊_陸軍分列行進曲
陸上自衛隊は観閲式も見てしまった。
Wikipedia 抜刀隊:西南戦争最大の激戦、田原坂の戦いにおいて、川路利良が率いる警視隊から組織された別働第三旅団から選抜して臨時に編成され投入された白兵戦部隊。
、1885年(明治18年)に軍歌「抜刀隊」が発表された。さらにこの「抜刀隊」をベースとして、軍歌「扶桑歌」の旋律を組み合わせて、1886年(明治19年)にいわゆる「陸軍分列行進曲」が作曲され、帝国陸軍の公式行進曲として採用された。
抜刀隊の歌の歌詞では、”敵の大将たる者は古今無双の英雄で、これに従う兵つわものは共に剽悍決死の士”と逆賊西郷をたたえている。不思議?な歌詞だが、これも日本史解釈に役立つのであった。
現在も陸上自衛隊と警視庁を含む道府県警の公式行進曲として受け継がれており、などで陸上自衛隊の音楽隊により演奏され、警察は機動隊観閲式や視閲式などで警察音楽隊によって演奏されている。