発売当初、名瀬の書店にも並んでいるのを見た記憶があるのだが、
これは別のルートで入手した。
それから何年か積読してあった。
本書は韓国の子育て女性の辛い現状(それだけではないが)について書かれているのだが
読書中、偶然、本書のテーマの背景に関連する次の2つのニュースを聞いた。
その1 韓国、29兆円超投入でも止まらぬ少子化 出生率過去最低0.78、OECD平均の半分以下
2/26(日) 9:51配信 ヤフーニュース(西日本新聞)
金だけでは解決も難しそうだ。
岸田首相は22日、急速に進む日本の少子化に懸念を示し「社会機能を維持できるかどうかの崖っぷちに立たされている」と強い危機感をあらわにした。それと共に「異次元の少子化対策を実現する」と岸田文雄首相が最近、「異次元の少子化対策を講じる」と宣言。
本書の、日本人による解説も秀逸だった。先に読んでいたほうがよかったかなと思う程。
本書がフェミニズム小説に分類できるというのもその解説で知った。
ニュースその2、フェミニズムの旗手にして、おひとりさまの教祖とも言われる高名な女性の社会学者が実は入籍していたことを週刊文春3月2日号が報じたのも先週だった。(結婚ではなく入籍という表現なのだが)
本書が原作の映画もある。予告編の映像を見ただけでも原作の印象がだいぶ変わってみえる。
韓国社会は日本と似ているようでもあるが、背景の大きな違いも見えてくた。(徴兵制、若者の政治意識など)
『82年生まれ、キム・ジヨン』予告 10月9日(金)より 新宿ピカデリー他 全国ロードショー
わたしは世代的にどうしても韓国に対し”ゴールポストを動かす国”または”反日教育”などの偏見が完全にはぬぎきれないのだが、本書(少し変わった小説だ)を読むことで、それだけではない韓国も見えてくるし、日本の現状を見つめなおすきっかけにもなったと思う。