間宮祥太朗主演 映画「破戒」予告編
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破戒(小説)
『破戒』(はかい)は、島崎藤村の長編小説。誰よりも早く自我に目覚めた者の悲しみという藤村自身の苦悩を主人公に仮託しつつ、社会的なテーマを追求した作品とされる。1905(明治38)年、小諸時代の最後に本作を起稿。翌年の1906年3月、緑陰叢書の第1編として自費出版。
藤村が小説に転向した最初の作品で、日本自然主義文学の先陣を切った。夏目漱石は、『破戒』を「明治の小説としては後世に伝ふべき名篇也」(森田草平宛て書簡)と評価した。
原作は遠い昔に読んで記憶も大分かすんでいる。
名作だけに映画化にあたって、1948年版、1962年版、tVドラマ作品と、いろいろなテーマからのアプローチがあるようだ。
本作も映画前2作と比べると、今風で時代を感じる。
予告編を見る限り1948年版(監督 市川崑)の猪子蓮太郎(三國連太郎)とその妻(岸田今日子)が抱える差別問題を主題に展開される内容が秀逸に思える。
本作(2020年版)では、丑松(間宮祥太朗)と志保(石井杏奈)の恋愛がうっすらと描かれていて、その分、さまざまな視点がバランスよく描かれていると感じられる。歳のせいかやはりラストは泣けます。
wiki
2022年版『破戒』は2022年7月8日に公開された日本映画。監督は前田和男、脚本は加藤正人と木田紀生、主演は間宮祥太朗。
約60年ぶりに映画化された
監督 前田和男
脚本 加藤正人
木田紀生
製作 東映
出演者 間宮祥太朗
石井杏奈
矢本悠馬
高橋和也
ほか
1962年版
破戒
監督 市川崑
脚本 和田夏十
製作 永田雅一
出演者 市川雷蔵
演出
市川監督は、先に公開された木下監督の映画との違いを見せるために、木下版では控えられていた、登場人物の1人である猪子蓮太郎とその妻が抱える差別問題を主題にしたが、原作とは異なったアプローチで描かれており、「差別をするなと訴えるだけじゃなくて、自分たちがもっと自信を持てばいいじゃないか、ただ悲しむだけじゃなくて、もっと強くなれ、そしたらいつか同じ立場になる、というテーマを新しく付け加えた」と後に証言している。
出演
瀬川丑松:市川雷蔵
土屋銀之助:長門裕之
風間敬之進:船越英二
お志保:藤村志保
猪子蓮太郎:三國連太郎
蓮華寺住職:中村鴈治郎
猪子の妻:岸田今日子
渡辺実
映画化作品
1948年版 松竹製作・配給
破戒
監督 木下惠介
脚本 久板栄二郎
製作 小倉浩一郎
出演者 池部良
桂木洋子
原作は部落差別問題を中心に描いているが、本作はこの問題には深入りはせずに、丑松とお志保の恋物語として、抒情的に描かれている。キネマ旬報ベスト・テン第6位。毎日映画コンクール監督賞、助演賞受賞。
出演
瀬川丑松:池部良(東宝)
お志保:桂木洋子
猪子蓮太郎:滝沢修(民衆芸術劇場)
土屋銀之助:宇野重吉(民衆芸術劇場)
スタッフ
監督:木下惠介
脚本:久板栄二郎
製作:小倉浩一郎
撮影:楠田浩之
音楽:木下忠司
美術:本木勇
編集:相良久
助監督:小林正樹
表話編歴
木下惠介監督作品