『サピエンス全史』(文庫版上下)は、人類の歴史を「認知革命」「農業革命」「科学革命」の3つの大きな変革で紐解きます。
続編『ホモ・デウス』も、人類史を小説で読むような無類のおもしろさ。飢餓や戦争、病気の問題が克服されつつある一方、新たな課題として不死や幸福、神のような能力の追求が浮上すると論じ、特にAIや生物工学の発展が「ホモ・デウス(神のような人間)」を生み出す可能性が論じられ、人間性や自由意志の意味が問い直される時代が訪れると警告する。
『ホモ・デウス』上巻では、人類が自然や他生物を支配する過程や、宗教や思想がその発展を支えた歴史が詳述される。また、データやアルゴリズム(問題を解決したり、目標を達成したりするための手順や計算方法)が力を持つ「データ教」の台頭が、人類の価値観や意思決定に大きな影響を与える可能性が示唆されます。
面白さは小説よりてんこ盛りで要約も容易ではない。しかし『サピエンス全史』主張は首尾一貫している。
下巻(読了)につづく