
我が家には、厄年の者はいない。
息子の嫁の33歳の前後(前厄、本厄、後厄、お礼)4回、から始まり、娘のも1年後から同じく厄除けの代参。そして、今度は息子の42歳の大厄、1歳年下の娘婿の大厄と重なる年があったが、とにかく昨年で全てが終わった。
けれど、もう例年の習いのようになって、初午は岡寺参りと決めている。

本尊如意輪観音様の前に座ると塑像の持つ優しさに包まれたような暖かさを感じる。その前で、護摩木が焚かれ5人の僧侶が、声高らかに、大般若経を唱える。その時手にした経本を、扇のように開き、翳し、片手に閉じていくさまは、見事である。護摩木が燃え盛ると白い如意輪観音様が、僅かに朱鷺色に変わる。
こんなに間近に、仏様と対座できるのは、初午の大法要の時だけのような気がする。

境内から見下ろすと、山門の屋根に雪が残り、ときどき、風花のように雪が舞う寒い日であったが、参詣の人が、絶え間なく石段を登ってくる。

境内で焚かれているとんどは、寒い中をお参りする人へのお接待である。
去年までは、暖かいにゅう麺のお接待をしてくれていたが、今年は、どうしたことかこのお接待のないのが、いささか寂しかった。長年続いただけに、お参るする人も期待しているようだった。
厄除けの杉葉を買ってきた。来年、枯れたこの枝をまた納めるために、岡寺詣でをすることだろう。