カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

追憶の記・・・10年前の私の冬

2005年02月21日 | ▼ 思い出綴り
<短歌の整理をしていて、そのノートの中から見つけた10年前の、忘れられない日々。>


平成5年2月21日 曇り8度
午前7時過ぎ五條出発。名古屋から新幹線で東京へ。上野から、あさま23号で軽井沢へ。
横川を過ぎトンネルをいくつか越すごとに、景色が白くなっていく。雪国に来たことに、わくわくする。
軽井沢も雪の中。弟が駅に迎えてくれた。夕食は,山菜の炊き込みご飯。とんかつ、サラダ、おみおつけと礼子さんのお料理が美味しい。夜遅くまで弟家族の優しい雰囲気に楽しく話し合った。

2月22日 晴れ8度

軽井沢にとっては、4月上旬の暖かさの中で目覚めた。
床暖房のゲストルームにはホーム炬燵も入れてくれてあり快適な暖かさだ。
午前中「好日」で、弟がスキー靴を買ってくれた、オーストリア製コフラックは、足にフィットとてもいい、
弟夫婦の心遣いの優しさを感じる。

湯の丸スキー場に行く。初心者向きのゲレンデで、甥の名コーチで、昔の感じを取り戻す。
一度だけ尻餅をついただけで方向転換し体重を橇に乗せかえることもうまく出来て嬉しい。
昔、夫と滑ったことが、しきりに思い出される。
夕方まで心いくまで滑る。
夜は、礼子さん特製のちゃんこ鍋を囲んで話が弾んだ。幸せな1日だった。


2月23日 晴れのち吹雪 3度

朝から、表万座のスキー場に行く。甥がもう一人加わって賑やかだ。
浅間山のスロープを右手に見ながらの、六里ヶ原の眺望は素晴らしい。
以前夫とドライブ旅行したのは、春休みだったが、いつも大パノラマを展開してくれる。
表万座のスキー場は朝のうちはよく空いている。
フードつきの長い長い4人乗りリフトで山頂に着いた時、下に広がる急斜面と、気温が低いためのアイスバーンで、滑り始めると先ず恐怖心が先に立って尻餅を3度もついてしまった。
でも、甥や弟の後ろからのコーチと助言で、なんとか滑り降りた時にはほっとした。それから5回リフトに乗り、滑降(そんなカッコのいいのもではないが)するうちに、昨日と違った長い距離の滑りを楽しむことが出来た。
午後になって吹雪となり視界もなくなったので下山したが、実に爽快な疲れと満足感でペンションに戻った。



2月24日 晴れ3度

強い冬型の気圧配置で、外は雪で真っ白。
二重窓のガラスに雪の結晶がまるで天使の贈り物のように美しい。
今日は近くでと、弟に送ってもらって、甥兄弟と軽井沢プリンスホテルのスキー場に行く。
雪質がよくパウダースノーで、エッジを立てて止まるとさっと雪煙が上がる。
いろんなコースを何度もリフトに乗ってすべる。一番頂上に行くと、眼下には、軽井沢の町が箱庭のように見え、真向かいには、浅間山が青空の中に聳え立っていて綺麗だ。
お昼に一度帰って休憩し、午後からまたプリンスで滑る。心行くまで滑るとは今日のことだと思う。


2月25日 晴れ0,9度


今日は弟が、湯の丸スキー場に連れて行ってくれた。
軽井沢から1時間と少しのところだが山を登るにつれて周囲は雪で真っ白になり道路にも雪がある。雪質はいい、靴の下で、キュッキュッと鳴っている。
橇を滑らせると雪煙が立つ。
初めにきた時と比べると、自分でも上手くなったと思う。弟が今日要所要所を教えてくれた。
スピードも出る。ターンも楽に出来る。とても嬉しい。
スキーは今日で終わりだが4日間本当に毎日みんなの助けを借りて楽しく滑ることが出来た。

2月26日 晴れ3度

軽井沢最後の日。義妹に買い物に連れて行ってもらう。お土産も荷物も皆宅急便にしたので身軽に帰れる。
午後一人で散歩に出た。18号線を北に向かって落松林に沿って歩くと風が冷たく心地よい。
森村桂のアリスの丘で、美味しいケーキと紅茶で一息ついて、ケーキを今夜のお八つのお土産にする。
夜は皆で、塩原の温泉に行く。ほかほかの心と体で、ペンションに戻る。
連日美味しい手料理でもてなしてくれた義妹、コーチを引き受けてくれた甥っ子達(コーチの資格を持っているので教え方も上手い)弟一家の優しさと心温かさを、亡き両親や夫は、きっと見守って安心してくれていることだろう。
15年間、全くスキーをしていなかった。そんな私を、退職したのだから、のんびり遊ぶつもりで・・・と、弟夫婦からの招待で行った今回のスキー旅行だった。感謝感謝である。



コメント (9)
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