梅雨の中休みの今日もお出かけ日和です。
季節が進み過ぎない間にここ、高松塚古墳の場所である飛鳥歴史公園へ、行きました。
楚々としたササユリに会うために 、今年もやはり嬉しい出会いでした。
芝生広場を囲む斜面の右側が「歩く姿はユリの花」の彼女の居場所は、すっかり頭の中です。
辿り着くまでには、膝の悪い私にとっては苦難の階段があります。
手すりはなくて鉄のロープだけが頼りです。
それを持つとぐらりと倒れそうになりますが、斜面の上で待つ彼女のことを思うと、へたり込んではいられません。
階段を上がる途中から、淡いピンクの花が見えてきました。
蕾あり、花の終わりあり、今を盛りの花時ありで、昨年より沢山見られたように思いました。
後ろから見ても、花弁のヘリ返しの線がとても美しいと思います。
ユリの花は万葉集では11首詠まれていると、上の説明板にありましたので、どのような詠なのかと
調べてみましたが、いつものようになかなか見つけることができません。
上の説明と重なるのもありますが、今回は和歌集めができませんでした。
歌は十一首、該当する植物はゆり科のヤマユリ、ササユリ、ヒメユリ、オニユリの四種です。
姫百合と植物名をそのまま詠んだ歌は一首で、さ百合と詠んだのが八首、深草百合が二首あります。
万葉に関する植物辞典には『万葉集にさ百合と詠まれているのはヤマユリかササユリである。
一般に山野に自生するのは関東ではヤマユリ、関西ではササユリ…』とあり、万葉歌にふさわしいユリはこの二種になりそうです。
姫百合が詠まれた歌は一首あるので、この歌を取り上げるとすれば当然ヒメユリを植え付けなければなりません。
ヤマユリは県内に自生はなく、ササユリ、ヒメユリは標高千メートルから千五百メートルの高地に自生しています。
これらの百合とは筆者も十数年付き合っていますが、平地ではなかなか付き合いにくい植物です。町内に自生しているオニユリやコオニユリを植え付けるわけにもいかないので、難題の一つになりそうです。
玉川ねっと 万葉の森より