エゴの木の花の咲く頃に、公園に行きたいとずっと前から思っていたのですが、
訪れる時期が、花の時とずれていて、僅かに数輪残った花を 、未練がましくカメラに納めて来ることが
度々でした。
エゴノキの説明板です。「雑木林に普通に生える落葉樹」と書かれていますが、
始めてこの樹と出会ったのは、天川村のみたらい渓谷の大きな岩に被さるように咲いていた
白い小さな花を枝一杯につけた木だったのです。
大きな岩と滝の流れに見とれていてふと、頭をあげた目の前の、可憐な鈴なりの花に魅了されました。
写真に撮って、山を歩いていたおばさんに「この花の名前を教えて下さい」と言って教えてもらったのが
エゴの木の花でした。
ところが、ブログに載せると「白雲木」じゃないかと教えてくれる人はありましたので、
調べてみますと本当に良く似た花なので、実際に見てみないと、どちらか区別がつかないものだと
公園などに行ったら木の名前の付いているのがあると、常に気にしていました。
それが馬見丘陵公園で、上のような説明板と、木に付けた名札を見て、長年の宿題ができたような気になり、
花の時期には是非来たいと思うようになっていました。
公園館から下池へ下って行く散策道の両側に、エゴノキの並木があります。
ヒナゲシの花を見てから、車で中央口まで移動して、駐車してすぐに1直線にエゴの並木へ行きました。
以下花盛りのエゴノキです。
エゴの木は万葉の時代からあったらしく、万葉集にも三首詠まれています。
この頃は、知左の花と人々は呼んでいたとのことです。
万葉歌人にも親しまれていたエゴノキが、馬見丘陵公園でも今を盛りと咲いていることを知って
一層この白い小さい鈴のような花が、好ましく思えるようになりました。
知左(ちさ)の花 咲ける盛りに 愛(は)しきよし その妻の子と 朝夕に 笑みみ笑まずも
(知左=エゴノキ) 万葉集 大伴家持
息の緒に 思へる我れを山ぢさの 花にか君がうつろひぬらむ 作者不詳 巻7-1360
山ぢさの 白露重みうらぶれて心も深く我が恋やまず 柿本人麻呂 巻11-2469