孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

タイ  少子高齢化社会へ

2015-11-23 09:00:16 | 東南アジア

(大勢の観光客で賑わうタイ・チェンマイのサンデーマーケット 11月22日)

タイ テロに幕引き】
いつもの一人旅でタイ・チェンマイに来ました。
今回の予定は、チェンマイで、コムロイと呼ばれる熱気球飛ばしで有名な「イーペンランナー」を、またスコータイで灯篭流しが美しい「ロイクラトン」を楽しむ予定です。

チェンマイもスコータイも、何年か前に観光していますので、今回は二つのお祭り見学に絞ったスケジュールです。

とりあえず、今日は新幹線で福岡に移動。福岡空港からタイ航空でバンコクへ。バンコクで乗り換えてチャンマイに現地7時頃到着。

チェンマイの空港で両替しようとしたら、バッグに入れたつもりの財布が見つかりません。すべてのおカネがその財布に入っています。焦り狂って4、5回バッグの中を探し、あきらめて「クレジットカードでATMから引き出すことで何とかならいか・・・」と考えていたときに財布を発見。「あるじゃないか・・・・」

色がバッグと同じ黒色だったせいで見落としたようです。
事なきを得ましたが、かなりボケてきたような・・・。

ホテルチェックイン後、ちょうど日曜日ということで、ターペー門周辺で開かれている「サンデーマーケット」に行ってきました。

延々と夜店が連なる大規模なマーケットで、外国人観光客であふれています。
「こんな場所で、爆弾テロなどがあったら・・・」なんてことは考えないことに。

8月にバンコクで起きた爆弾テロについては、幕引きがなされたようです。

ウイグル族の中国への強制送還への報復・・・といった線も取り沙汰されていましたが、そのあたりがどうなったのかは判然としません。

観光立国のタイですから、いつまでもテロの不安を引きずる訳にはいかない事情もあると思われます。

****バンコク爆破テロ、捜査終了 全容解明にはほど遠く****
タイの首都バンコクで8月に起きた爆破テロ事件で、タイ警察は27日、逮捕した容疑者らの身柄と捜査資料をすべて検察当局に送り、捜査を終えた。シーワラー国家警察庁長官補が明らかにした。検察は軍事裁判所に容疑者を起訴する方針。ただ、犯行動機を中心に不明な点が多く残されている。

バンコク中心部の「エラワン廟(びょう)」で起きた爆発では150人が死傷した。警察はアデム・カラダック容疑者(28)ら2人の中国・新疆ウイグル自治区出身者を実行犯として計画殺人容疑などで逮捕した。

しかし、ほかに逮捕状が出た15人は逃亡中で、事件の全容解明にはほど遠い状況だ。軍事法廷での公判は公開されない可能性があり、裁判の公正さや透明性を疑問視する声も出ている。【10月27日 朝日】
******************

なお、安倍首相はタイのプラユット首相と会談し、対テロでの結束を確認しています。

****安倍首相、タイのプラユット首相と会談 対テロでの結束を確認****
タイとも対テロでの結束を確認した。
安倍首相は20日、訪問先のマレーシアで、タイのプラユット首相と会談し、8月に起きたバンコクでの爆弾テロの犠牲者に対し、お悔やみを伝えた。

合わせて、パリで発生した同時多発テロについて、「国際社会が一致結束し、断固非難すべきだ」との考えを示し、タイを含む国際社会と緊密に連携する考えを示した。

これに対し、プラユット首相は、「テロに対する国際的な取り組みに、日本とともに協力していきたい」と応じ、協力していく考えを示した。【11月21日 FNN】
*********************

少子高齢化に突入したタイ
タイ関連のニュースは最近あまり目にしませんが、「へえ・・・そうなんだ・・・」とちょっと驚いた記事が1件。

日本、韓国、台湾、シンガポール、更には「一人っ子政策」を放棄した中国も、少子高齢化の大問題を抱えていますが、タイもやはり同じ状況にあるそうです。

東南アジアというと、“子だくさん”のイメージがありますが、タイはそうした段階を過ぎたようです。
確かに言われてみると、タイでは「子供がワラワラ・・・」といった光景はあまり見かけないようにも思えます。

****老人の国へまっしぐら、高学歴女性ほど結婚しないタイ****
アジアの少子高齢化(2)~バンコクの合計特殊出生率は0.8

・・・ASEAN(東南アジア諸国連合)で第2位の経済大国、さらにこれからも投資拡大が期待されているタイも、実は少子高齢化問題が重くのしかかってきた。

タイと言えば、日本と二人三脚で発展してきたと言ってもよいほど日本企業の進出が著しい。タイで大規模なデモが発生して放火されるような事件があっても、日系企業の入っているビルは絶妙に避けるとも言われている。

日本にとってもアジアの拠点として最も重要な国と言ってもいい。しかし、この国でも少子高齢化が急ピッチだ。いまや日系企業がタイに進出する際の問題は、賃金やカントリーリスクの上昇ではなく、実は人出不足(高度人材含む)にある。

あと15年で高齢者率25%に
タイ国家統計局によると、2014年の60歳以上は6500万人の人口のうち約1000万人で、全人口の約15%にも上り、6.5人に1人が60歳以上という、すでに立派な高齢化社会となってしまった。

1994年に約7%だった60歳以上人口が2012年には約12%へと跳ね上がった。高齢者数は2030年には1760万人(総人口の約25%)、2040年には2050万人に達すると見込まれている。

また、合計特殊出生率も1.39と日本より低く、首都バンコクに限っては0.8とも言われ、平均年齢も他のアジア諸国よりはるかに高い34歳(ASEAN域内で2番目、トップはシンガポール)。

ASEAN域内では、イスラム国家ゆえに人口増が見込まれるインドネシアやマレーシアを除けば、タイはシンガポールに次いでいち早く、“超”少子高齢化社会へ向かうのは間違いないだろう。

他のアジアの国と同様、医療技術発展に伴い平均寿命が伸び、高齢化に拍車がかかり、一方、人口抑制策を進めるなか、女性の高学歴化による社会進出拡大で晩婚化、未婚化が急増していることが背景にある。(中略)

日本では「ワーキングプア」層の拡大で結婚できない男性が増えているが、タイでは女性や男性で年収が低いほど結婚率が高く、その反対に年収が高いほど結婚率が低いという現象が起きている。

地方でも子供は最大2人まで
・・・また、「結婚しない女」だけでなく、晩婚化で「子供を生まない女」も増えてきており、今では都市部に比べ子供が多いはずの地方ですら、夫婦の間に子供は2人までというのが常識化しているという。

そんななか、政府(軍事政権下)は政治経済の制度改革を図る「国家改革議会」が少子高齢化対策を重点施策と位置づけ、このほど同対策のため2017年度(2016年10から2017年9月)から、個人所得税の控除枠拡大計画を明らかにし、子育て支援目的の「年少扶養控除拡大」を盛り込んだ。(中略)

また、少子化対策だけでなく高齢社会に向けた取り組みも、まだ始まったばかりだ。

最大の問題は、高齢者の低所得問題。タイの国家統計局などの調べでは、高齢者のうち、貯蓄のある人は34%にとどまり、その半数以上が貯金が全くない状態で、「貧困高齢者」が増えているという。

経済発展に伴う物価上昇などで、公的年金では賄えず、生活費などのほとんどを子供や孫からの仕送りなどに依存し、医療費などへの将来不安などを理由に高齢者の自殺が20%近くにまで増加し、年々増加傾向にあるという。

首都バンコクには、24時間体制の高齢者専門医療施設があるが、破格な入居料で富裕層に限定されているのが現状だ。

とりわけタイでは、高齢化対策は少子化を上回る緊急課題。医療や介護サービス、さらには年金問題など取り組む問題は目白押しだ。高齢者基金は設立されたものの、高齢者医療保険や老齢年金についてはまだまだ検討の段階。

年老いた親が孤独死するケースも
制度面の問題だけでなく、少子高齢化問題は、タイの伝統的な家族制度の「大家族主義」も変えようとしている。都市部でも農村部でも共働きの両親に変わって祖父母が子供の面倒を見て、家族を支えてきたが、その大家族主義も崩壊危機寸前だという。

経済成長の発展で農村の若い世代は都市部に移住、年老いた親が孤独死するケースも増えてきたという。

現在のタイの1人当たりのGDPは約5426ドル(IMF統計、2015年10月時点)。今年にも人口ボーナス期が終焉すると見られるが、先進国との経済や技術力と後発新興国の追い上げの狭間で、このままいくと、豊かになる前に老いていく事態に陥ることが予想され、まさに「中所得国の罠」にはまってしまったと言える。

こうした事態は、中国リスクを避けるためもあっていまなお進出が絶えない日本企業にとって厄介な問題だ。アジアは日本と違って若い働き手がいっぱいいる、しかも賃金は安い――。このような考えをいまだ持っているとしたら、それは幻想に過ぎない。(後略)。【11月16日 末永 恵氏 JB Press】
************************
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする