(夕暮れ時のサマルカンド・レギスタン広場 11月6日 ウズベキスタン最大の観光スポットですが、さすがに一見の価値がある景観です)
【不透明な為替レート】
5日から中央アジア・ウズベキスタンを旅行中で、観光3日目の今日(8日)は古都ブハラの遺跡巡りでした。
ウズベキスタンの通貨はスム、ネットで為替レートを検索すると「1円=86.5スム」といった数字が出てきますが、実際にガイド氏が両替してくれたレートは「1円=70スム」程度。
ガイド氏のレートが不当に悪いのか・・・そのあたりの事情はよくわかりません。
さらに、現在の状況はよくわかりませんが、2015年当時の記事を見ると、公式レートと市中の実勢レートには倍近い差があるといった指摘も。【2015年8月20日 島田晴雄氏 「ウズベキスタン通貨「スム」の交換レートの不透明性」より】
つまり、市中で闇両替すれば、1円が100スム以上にもなる・・・ということです。
旅行者にとっても本来なら大きな問題ですが、今回はツアー参加のため、現地で使用するおカネは飲み物代など極めて少額ですむので、あまり問題にもすることなくすませています。
【現金社会】
日本でウズベキスタンのことが記事になることは殆どありませんが、珍しく目にしましたので。
やはりおカネの話です。
****札束が飛び交う現金王国ウズベキスタン、キャッシュレス社会へ一歩****
日本をしのぐ「現金王国」がある。中央アジアのウズベキスタンだ。買い物では札束が飛び交うが、財布を持つ人は見かけない。激しいインフレで紙幣の束が分厚くなりすぎ、財布に入りきらないからだ。
首都タシケントにある市場「チョルス・バザール」に入ると、広大な敷地に店が並び、ありとあらゆるモノが売られていた。解体されたばかりの羊や牛の肉、トマトやタマネギなどの野菜、果物、香辛料、陶器、衣類……。
銀行カードで支払いができるという表示はあるが、買い物客はみな通貨「スム」の札束を渡している。ウズベキスタンでは、まだ給料を現金でもらっている人が多く、銀行口座にあまりお金が入っていないという事情もある。
「Cash is King(現金は王様)」。ウズベキスタンの財務副大臣オディルベク・イサコフ(38)はそう言って苦笑した。
2年前から米ドルに対する為替相場は半分以下に急落し、インフレ率は20%近い。「お金が余ったら不動産や牛・羊などを買うか、米ドルに両替する人が多い」。
金利がつかない預金では、価値が目減りすることになり、米ドルや資産に換えれば、逆に価値は上がるからだ。それでも買い物の前には、スムに両替しなければならない。
ウズベキスタンでは2017年に1万スム札と5万スム札、今年は10万スム札が発行された。10万スムでも、日本円では1100円ほどだ。
その前は自動車など高額なものを買うには大量のお札が必要だった。スーパーの大きいレジ袋13袋に札束を詰め込んで販売店に持参し、数えるのに5時間かかったつわものもいる。
そんなウズベキスタンでも、政府はキャッシュレス化に向けた政策を矢継ぎ早に打ち出し始めた。今年5月、ビザやマスターとカードリーダーの規格が同じ銀行カード「フモカード」がつくられ、デジタル通貨の発行まで視野に入れる。
デジタル経済の構築を進める行政組織「NAPM」ファンド部門トップのバホディール・ベコフ(37)は「ブロックチェーン技術を使った電子政府づくりや、デジタル通貨の開発をめざしている」と意気込む。
現金からキャッシュレス、そしてデジタル通貨へ。自国通貨が弱い国の挑戦が続く。【11月8日 GLOBE+】
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円を両替するととんでもない札束になるというのは別にウズベキスタンだけではありません。ベトナム、イラン、インドネシアなどでも。
ほんの数日の印象では、ウズベキスタンで銀行カードやデジタル通貨が流通するというのは、なかなか想像しがたいものがあります。
現在はクレジットカード利用も観光客相手のお店などにかなり限定されていますので。
旅行者にとっては、商品の価格が非常に大きな数字になるというのは非常に厄介なことで、最初は頭の中が混乱します。
まあ、それでも公園のお店でポッポコーンを買おうとするとき、指で「4」を示されれば、それが4万スムではなく4千スムのことだな・・・という程度にはわかるようになりました。
【観光対応については、これから改善すべき問題も多いうような感じ】
実質的な観光はまだ三日しかしていませんが、その大雑把な印象から。
まず、観光資源についてはチムール帝国関連など歴史的な遺産・遺跡が多数存在していますが、イスラム的なものが多いせいもあって、やや単調な印象も。異教徒にとってはイスラムのモスクや神学校というのは、どれもこれも似たような感じに見えてしまいます。(日本を訪れた外国人にとっても、お寺・神社はそんな印象なのかも)
歴史的な遺産・遺跡は多いのですが、自然景観で見るべきものが少ない(あるいは、まだ観光用に開発されていない)のも、印象を単調にします。
料理については、私はあまり食べ物についてあれこれ言う方ではありませんが、他のツアー客からは「なんだか毎日同じようなメニューばっかりで、ワンパターンだ」との不満が多く出ています。
まだ三日経過しただけですから評価は早すぎますが、逆に三日目で「ワンパターン」と言われるあたりには、日本人的感覚とのずれがあるのかも。
ホテル・レストランの対応・設備には、まだまだ改善の余地が大きいようにも。
初日のサマルカンドのホテルでは、シャワーのお湯がほとんど水で、大ブーイングを浴びました。
気温0℃で水シャワーというのは・・・・(私は、気合で洗髪などしましたが)
一部の部屋は暖房も効かなかったようです。
お湯については、翌日夕方に「ガス工事を周辺でやっており、地域一帯でガスが十分に使えなかった」との説明がありました。
問題はトラブルそのものよりも(どこの国でも、日本でもトラブルはあります)、そうした事情は最初から分かっていたはず(分かっているべき)で、説明がなされるまで1日を要したというところでしょう。
ホテル側はお詫びの印として各部屋にワインボトル1本ずつを提供しましたが、そんなことより状況説明を速やかに行うべきでしょう。
二日目に昼食をとったシャフリサブスのレストランでは、ポトフのようなメイン料理がでてくるまでに30分ほども間隔があき、みんな待ちくたびれましたし、予定も遅れることに。
これもガス関連で、ガス供給が十分でなく火力が弱いため、調理に時間がかかっているとか。
ツアー客が2組、合計60名ほどが利用していましたので、大変だというのは想像できますが、受け入れ能力について十分に検討すべきでしょう。
今日三日目のブハラのホテル(11階建ての大きなホテル)でも、観光を終えて3時過ぎという早い時間にホテルに戻ると、部屋のお湯が出ないというトラブルも。客室への給湯のバルブが閉まったような状態にあったようです。
このホテルのエアコン、ものすごい勢いで熱風が吹き出して部屋が暑くなりすぎるため結局使えない・・・ということも。(うまく調整できるのかもしれませんが、私を含めて多くのツアー客が使えませんでした)
まあ、いろんな問題を列挙しましたが、ウズベキスタンが観光に力を入れ始めたのは最近のことですから、これからサービス体制も改善されていくのでしょう。