孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

レバノン情勢 イスラエルによるヒズボラ指導者殺害 今後はどうなる?

2024-09-28 22:01:06 | 中東情勢

(レバノン・ベイルート南郊から立ち上る煙。イスラエルの空爆の標的はヒズボラ指導者だと報じられている【9月28日 BBC】)

【地下貫通型爆弾「バンカーバスター」のような強力兵器で、地上の住民もろとも地下のヒズボラ指導者を殺害】
周知のように連日レバノンを大規模空爆していたイスラエル軍は、親イラン民兵組織ヒズボラ本部を空爆し、指導者ナスララ師(64)を「殺害した」と発表しています。

****ヒズボラ指導者の殺害発表 イスラエル軍、本部を空爆****
イスラエル軍は27日、レバノンの首都ベイルート南部にある親イラン民兵組織ヒズボラ本部を空爆したと明らかにした。28日、指導者ナスララ師(64)を「殺害した」と発表した。

レバノン国営通信によると、空爆で6人が死亡し、90人以上が負傷した。イスラエルとヒズボラの緊張はさらに高まり、交戦停止が難航するのは必至だ。

イスラエルメディアによると、治安筋は空爆時にナスララ師が本部にいたと述べた。空爆でビル6棟が全壊し、ナスララ師の娘が死亡したとの報道もある。イスラエル軍は、ヒズボラ本部が「意図的に居住用ビルの下に造られていた」と説明した。【9月28日 共同】
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27日の首都ベイルート空爆は、これまでになく激しいものだったようです。地下貫通型爆弾「バンカーバスター」が使用されたとの米報道も。

****「前例ない爆発」に衝撃=住宅地が無残、地面に巨大穴―レバノン*****
耳をつんざく無数の爆音に、黒煙が上空を覆う―。イスラエル軍が27日、イスラム教シーア派組織ヒズボラの指導部を狙い、再びレバノンで大規模空爆を行った。現場に駆け付けた中東の衛星テレビ局アルジャジーラの記者は「首都ベイルートでは前例のない爆発」で、各地でパニックが広がっていると伝えた。

現場は、ベイルート南郊ダヒエ地区の住宅地の一角。同地区に子供2人と住み、夫を20日の空爆で失ったばかりの主婦アミルさん(36)は、時事通信の電話取材に「建物が激しく揺れ、夫と同じように死んでしまうかと思った」と声を震わせた。

数棟の建物が倒壊し、コンクリートや鉄筋のがれきが散乱。救助隊が電灯を頼りに、不明者の捜索を続けた。遺体や負傷者が次々と搬送され、がれきの下にも多数が取り残されたとみられる。

ただ、イスラエル軍はこの地下に本部があるとするヒズボラが「人間の盾」にしているとして、住宅地での空爆を正当化した。

現場の映像では、地面が大きくえぐられて巨大なクレーターができていた。米CNNテレビは、地下貫通型爆弾「バンカーバスター」が使用されたと報じた。イスラエル軍報道官はさらなる空爆を警告したが、アミルさんは「怖いけど頼れる人もいない。ここから逃げられない」と力なく語った。
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地上の住民もろとも一挙の地下施設を破壊する爆撃のようです。

****首都衝撃、30キロ先で揺れ 「かつてない被害」****
ごう音が響き、夕焼け空に黒煙が次々と立ち上った。イスラエル軍が27日、親イラン民兵組織ヒズボラの本部を標的にレバノン首都ベイルート南部を空爆した。

衝撃は大きく、AP通信によると、現場から約30キロ離れたベイルート北部でも揺れが感じられた。現地入りした中東メディアは「かつてないほどの被害だ」と伝えた。

「自分のアパートが爆撃されたかと思った。衝撃で部屋の窓は全て割れた」。空爆現場から数ブロック先に住む女性アランダスさん(29)は電話取材に「恐怖で凍り付き、動けなかった」と声を震わせた。

4歳の娘は泣き叫び、自身も恐怖と衝撃でしばらく立ち上がれなかった。外に出るとあちこちから泣き声や叫び声が聞こえた。「ここは住宅街だ。民間人が被害に遭っている」と憤った。

空爆を受けたのは、ヒズボラが強い影響力を持つダヒエ地区。イスラム教シーア派住民が多数居住し、近くには国際空港もある。イスラエル軍はこの1週間、ダヒエ地区でヒズボラ幹部を狙った空爆を繰り返してきた。【9月28日 共同】
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【ネタニヤフ首相のヒズボラ攻撃は北部住民の帰還を実現するため 一方でレバノン住民がシリアに避難】
イスラエルがヒズボラとの全面戦争のリスクを負ってでも空爆を続ける理由としては、ヒズボラの攻撃能力を破壊し、批難を余儀なくされているイスラエル北部住民の帰還をじつげんすることとされてきました。

****対ヒズボラの空爆激化 イスラエル当局が明かす狙いは?****
イスラエル軍がレバノンの親イランのイスラム教シーア派組織ヒズボラへの攻撃を激化させている。23日にはレバノンへの大規模な空爆で500人を超える死者を出し、24日には首都ベイルートで複数の幹部を殺害した。全面衝突のリスクが高まるにもかかわらず、イスラエルはなぜこのタイミングで大規模な攻撃を仕掛けたのか。

「我々はヒズボラを攻撃し続ける。リビングにミサイルを置いているものたちの家は、なくなるだろう」。イスラエルのネタニヤフ首相は24日、情報機関の基地を訪れた後こう語り、ヒズボラを強くけん制した。

一連の大規模な攻撃は、ヒズボラ戦闘員らが持っていた通信機器が17、18日、イスラエルによるとみられる工作で一斉に爆発してから本格化した。イスラエル軍は20日、空爆で司令官を殺害。24日には1日で1600カ所を空爆したと発表。立て続けに攻撃を加えた。

通信機器の爆発でヒズボラに「衝撃」を与え、その機に乗じて波状攻撃を仕掛けることで、ヒズボラの士気を下げる狙いがあった可能性がある。イスラエル軍のハレビ参謀総長は24日「攻撃を加速させ、ヒズボラに休息を与えない」と述べた。

「ヒズボラの脅威を低下させ、戦闘員を国境から遠ざけることだ」。イスラエル当局者は、一連の大規模な空爆の狙いについて語った。

イスラエル北部では昨年10月のヒズボラとの戦闘開始後、レバノンとの国境付近に住む住民6万人以上が避難生活を余儀なくされている。

イスラエル軍はこれまでもヒズボラ幹部や戦闘員に対して攻撃を続けてきたが、ヒズボラの行動を変えるには至らず、避難民は不満を募らせてきた。

今回の空爆はヒズボラのミサイルやロケット弾の貯蔵施設を中心に爆撃しており、ヒズボラの攻撃力を弱体化させてイスラエルへの砲撃を減らす目的があるようだ。

また、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとの戦闘が優位に進んでいることも背景にあるとみられる。ガザ地区ではイスラエル軍がほぼ全域を制圧し、ハマスのインフラ施設などを破壊した。その結果、北部の戦線に兵力を割く余裕が生まれ、ヒズボラとの紛争拡大に対応できる体制ができたと判断した可能性がある。

ヒズボラはガザ地区の戦闘が終われば停戦すると主張している。ただ、イスラエルにとってヒズボラは長年にわたる脅威となっており、この機に大幅に弱体化させられれば、安全保障上の利益は大きい。イスラエル当局者は米CNNテレビに対し、イスラエルの戦時内閣は軍事作戦のレベルを高めることで一致していると述べた。

ただ、イスラエルの思惑通りに行くかは不透明だ。ヒズボラはイランが支援する中東の武装勢力の中では最大規模の組織で、予備役を含めて4万5000人の兵力を抱えているとされ、軍事力はハマスを上回る。25日にはイスラエル中部テルアビブの対外諜報(ちょうほう)機関「モサド」の本部を狙い、弾道ミサイルを発射するなど、徐々に攻撃範囲を広げており、譲歩する姿勢は見せていない。

このまま互いに強硬姿勢を続ければ衝突がさらに拡大するのは避けられず、最終的には地上戦を含めた全面戦争に突入するリスクもある。【9月27日 毎日】
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ネタニヤフ首相は約束していた北部住民の帰還が出来ないことで、国内的に強い突き上げを受けていました。

ネタニヤフ首相は国連演説で「ヒズボラが攻撃を開始し、イスラエル北部の国境近くに住む6万人以上の国民が家を追われた。ヒズボラが戦争の道を選ぶ限り、イスラエルに選択の余地はない」「イスラエルには脅威を取り除き、国民を安全に帰還させる権利がある。我々はまさにそれを実行している」と強調しました。

一方で、イスラエル軍の攻撃でレバノン住民2万人がシリアへ批難する事態にもなっています。

****空爆でシリアへ2万人避難=国連は「新たな危機」警告―レバノン*****
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は25日、イスラエル軍の大規模空爆が続くレバノンから隣国シリアへ数千人が避難を目指していると明らかにした。AFP通信は26日、既に2万2000人以上がシリア側へ逃れたと報じた。

ただ、内戦などで荒廃したシリアは社会インフラが十分とは言えず、グランディ国連難民高等弁務官は「中東に新たな危機の余裕はない」と警鐘を鳴らした。

UNHCRによると、両国の国境では数百台の車両や徒歩でたどり着いた人々が滞留。女性や子供、乳幼児らが屋外で夜を明かしながら国境越えのために待機しており、中には空爆による負傷者もいるという。(後略)【9月26日 時事】 
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【アメリカの停戦要求にネタニヤフ首相の対応は二転三転】
アメリカはイスラエルとヒズボラの全面戦争、更には中東全体での戦争といった形に戦争が拡大するのを嫌い、イスラエルに停戦を求めていました。

****イスラエルとヒズボラに「21日間の即時停戦」要求 米仏日など****
レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘でイスラエル軍による空爆の犠牲者が増える中、米国のジョー・バイデン大統領とエマニュエル・マクロン大統領は25日、21日間の即時停戦を求める共同声明を複数の国と共に発表した。

両大統領は、ニューヨークで開催された国連総会に合わせて会談を行った。両氏は1年にわたるパレスチナ自治区ガザ地区での紛争が、中東地域の全面戦争に発展することに懸念を示した。

米ホワイトハウスが発表した共同声明では、レバノンの状況は「容認し難く」「イスラエルの人々にとっても、レバノンの人々にとっても利益とはならない」と指摘。「外交的解決に向けた時間を確保するをため、レバノンとイスラエル双方に21日間の即時停戦を求める」

声明は、西側諸国と日本、ならびにカタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦といった主要なアラブ諸国と共同で発表された。 【9月26日 AFP】AFPBB News
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こうしたアメリカなどからの求めに対し、ネタニヤフ首相の対応は二転三転しています。

****イスラエル首相、停戦で二転三転=対ヒズボラ強硬派と米国に苦慮****
イスラエルのネタニヤフ首相は27日の声明で、米国や日本などが提案したレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの一時停戦を巡り、「米国主導の取り組みと目的は共有している」として、協議を続けていると明らかにした。

前日には「全力でヒズボラに対する攻撃を続ける」と強調していたが、停戦を求める米国と政権内の対ヒズボラ強硬派への対応に苦慮し、発言が二転三転している。

米国などは25日に21日間の停戦案を提示。地元メディアによると、ネタニヤフ氏は側近のデルメル戦略問題相と共に提案について説明を受け、いったんは同意したが、26日になって閣内の極右強硬派の反発を考慮して攻撃継続へ方針転換した。

ブリンケン米国務長官は26日にデルメル氏とニューヨークで会談。一時停戦合意の重要性と外交的解決によるイスラエル・レバノン双方の民間人帰還を訴え、「紛争のさらなる激化はこの目的を一層困難にする」と指摘した。

イスラエルは北部から避難した住民の安全な帰還を実現するためとして、北部に接するレバノンへの地上侵攻も辞さない構え。26日には地上戦を想定した演習を完了させ、イスラエル空軍幹部は「地上作戦の可能性に備え、北部の部隊と連携して準備を進めている」と述べた。【9月27日 時事】 
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ネタニヤフ首相の対応が二転三転しているのは上記のように国内強硬右派とアメリカの板挟みになっているためなのか、最初からアメリカなどの停戦要求には適当に時間稼ぎの答えをしておけばよいと軽く考えているせいか・・・・そこらはわかりません。 おそらく今回攻撃がアメリカへの答えでしょう。

【アメリカは今回かい攻撃への関与否定 イランは「レッドライン越えた」】
今回のヒズボラ指導者ナスララ師殺害に至った首都ベイルート攻撃にはアメリカは関与していないと説明しています。

****「関与なく事前通知なかった」 米国防長官、ヒズボラ本部空爆で****
オースティン米国防長官は27日、イスラエル軍によるレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラ本部への空爆に関し「米国は関与しておらず、イスラエルからの事前通知はなかった」と述べた。メリーランド州で記者団に「全面戦争は避けるべきだ」と強調した。

空爆の作戦中にイスラエルのガラント国防相と電話会談したと明らかにした。国防総省のシン副報道官によるとオースティン氏はレバノンへの地上侵攻は「正しい道ではない」と伝えた。両国防相は近く再び協議する。

空爆はヒズボラ指導者ナスララ師が標的だったとされる。シン氏は同師の安否について「情報がない」と回答した。【9月28日 共同】
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一方、ヒズボラの後ろ盾イランは「レッドラインを超えた」と批難しています。

****イラン、イスラエルのヒズボラ本部空爆を非難 「レッドライン超える」*****
イラン最高指導者のラリジャニ顧問は27日、イスラエル軍がレバノンの親イラン派武装組織ヒズボラの本部を空爆したことを受け、イスラエルがイランの「レッドライン(超えてはならない一線)」を超えており、状況は深刻という認識を示した。

イスラエル軍によると、攻撃の標的はヒズボラの指導者ナスララ師だったという。

ラリジャニ氏はイランの国営テレビに対し「暗殺ではイスラエルの問題は解決しない。指導者が暗殺されれば、他の者がその代わりを務めることになるだろう」と語った。

国営メディアによると、イランのペゼシュキアン大統領は「明白かつ否定しようのない戦争犯罪」と非難した。

在レバノンのイラン大使館はXへの投稿で、情勢を一変させる危険なエスカレーションで、「攻撃の主体には適切な処罰が下されるだろう」とした。

イラン外務省の報道官は、米国が供与した爆弾によって今回の攻撃が実行されたとし、イスラエルと米国の両国が責任を問われるべきと非難した。【9月28日 ロイター】
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【ナスララ師殺害でどう変わるのか イスラエルは一気に地上作戦? ヒズボラ大規模反撃?】
ここまでの話はヒズボラ指導者ナスララ師殺害以前の話ですが、ヒズボラ指導者ナスララ師が殺害されたとなると状況はかなり変わってきます。ナスララ師についてヒズボラも死亡を認めたようです。

イスラエルとしては、この機に乗じて一気に地上作戦に拡大し、ハマスに続いて長年の懸案だったヒズボラを壊滅に追い込もう・・・とする考えもあるでしょう。

****イスラエル軍がヒズボラ最高指導者・ナスララ師を空爆で殺害…地上侵攻の可能性も示唆、緊張高まる****
イスラエル軍は28日、レバノンの首都ベイルート南郊のイスラム教シーア派組織ヒズボラ本部を空爆し、ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師を殺害したと発表した。ヒズボラも声明で死亡を認めた。

ヒズボラの後ろ盾のイランや、反イスラエル武装勢力による報復攻撃が懸念され、中東地域の緊張がいっそう高まった。

イスラエル軍の発表によると、空爆は27日、ベイルート南郊の人口過密地帯で、住宅ビル地下のヒズボラ本部を標的に行われ、地下にいたナスララ師を殺害した。長期間、慎重に準備した上で遂行したという。レバノン保健省によると、少なくとも6人が死亡、91人が負傷した。

イスラエル軍のヘルツィ・ハレビ参謀総長は28日、ナスララ師殺害の発表後、ビデオ声明で「これで終わりではない。次の段階への準備を進めている」と述べ、地上侵攻の可能性も示唆した。【9月28日 読売】
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ヒズボラ側は報復を明確にしてこれまで以上のイスラエル攻撃に出る・・・・というのが一般的な見方ですが、指導者を失い、ポケベル等の連続爆破で組織的にも心理的にも動揺している状態で、どこまで有効な反撃ができるのか・・・やや疑問も。

これまでもイスラエルの激しい攻撃に対しヒズボラ側の反撃は抑制的だったようにも感じます。これは、ヒズボラ側に戦争拡大したくない、そこまでの準備・能力が今はないといった考えがあったのかも。

ヒズボラは中東最強の民兵組織とされていますが、ここ数年、後ろ盾のイランが制裁を受けるイラン自身の苦境からヒズボラへの支援を減少させている・・・とも言われています。

イラン大統領は「指導者が暗殺されれば、他の者がその代わりを務めることになるだろう」とは言っていますが、それほど簡単な話なのか。

もちろん、いろんな問題はあっても指導者を殺害された以上、ヒズボラが全力で反撃に出るというのは常識的な考えでしょう。

アメリカがイスラエルのレバノン地上侵攻といったこれまで以上の戦闘拡大を許すのか? 許さないと言っても、もはやアメリカにそれだけの指導力はないのか?

イランはイスラエルによる自身への攻撃への報復も留保する対応をとってきましたが、最大の協力組織であるヒズボラ指導者殺害で、どこまで自制を続けるのか? おそらくイランは何とか戦争に巻き込まれたくないという思いがあるのでしょうが。国内強硬派が自制でおさまるのか。

ヒズボラ、イスラエル、そしてアメリカ、イランがヒズボラ指導者ナスララ師殺害でどのように動くのか・・・私もわかりませんが、現段階では誰も明確な予測は難しいところでしょう。書いている間にも新たな情報が入りますので、明日になれば状況は一変するかも。

なお、イランは今回事態を受けて、最高指導者ハメネイ師を“安全な場所”に移動させたとのこと。

****今後どうなる****
今後は大きな決断が待ち受けている。まず、ナスララ師の生死にかかわらず、ヒズボラは残された手持ちの兵器をどう使うか、決めなくてはならない。イスラエルに、大々的な反撃を仕掛けるのだろうか。ロケット弾やミサイルを倉庫に残したままにしておけば、イスラエルがそれをも破壊しに来るかもしれない――。ヒズボラはそう考えるかもしれない。

イスラエルもまた、非常に重大な決断を迫られている。同国はすでに、レバノンに地上作戦を行う可能性に言及している。今のところ、それに必要になると思われる予備役をすべて動員しているわけではないが、レバノン侵攻はイスラエル軍のアジェンダに含まれている。

レバノン国内では、地上戦になればヒズボラはイスラエルの軍事力をいくらか無効化できるかもしれないという見方もある。

イスラエルを強力に支える国々を含め、西側の外交官たちは、イスラエルに外交的解決策を受け入れるよう促し、事態を沈静化させようとしていた。その彼らは今や、無力感と共に、暗澹(あんたん)たる思いで、今の事態を見つめていることだろう。【9月28日 BBC】
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