孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

アメリカ  トランプ氏復権 大統領の専制独断を誰が抑止できるのか? 各国の反応

2024-11-06 23:19:29 | アメリカ

(6日、集会会場に登場したトランプ前大統領(中央)ら=米南部フロリダ州【11月6日 産経】)

【大統領経験者が返り咲きを果たすのは132年ぶり】
今日はこのニュースしかないので・・・個人的には忸怩たるものがありますが。

****トランプ氏の当選確実 132年ぶりの米大統領「返り咲き」へ****
米大統領選(5日投開票)は6日、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)の当選が確実になった。米メディアが報じた。大統領経験者が返り咲きを果たすのは132年ぶり。

刑事事件の被告が、大統領選で勝利する異例の事態となった。トランプ氏は2025年1月20日に第47代大統領の就任式を迎える。

トランプ氏は選挙戦で「衰退した米国を再び偉大にする」と訴え、過去4年間に進んだインフレ(物価高)、不法移民の増加など、社会や政治の現状への不満に訴えかける戦略を取った。

23年3〜8月には計四つの刑事事件で起訴され、24年5月には不倫関係を主張する女性への口止め料支払いを巡って親族企業の業務記録を改ざんした罪で有罪評決を受けた。しかし、トランプ氏は「政治的な迫害だ」と主張することで、保守層を中心に支持を伸ばした。

民主党は当初、ジョー・バイデン大統領(81)が再選を狙ったが、24年6月の討論会で高齢不安を露呈。党内の圧力を受けて、7月に選挙戦から撤退した。女性初の大統領を目指すカマラ・ハリス副大統領(60)が8月に党候補に指名され、党内の活気は戻ったが、政策の具体化が遅れた。

トランプ氏は内政、外交ともバイデン政権からの政策転換を進める考えだ。不法越境対策として「国境の壁」の建設を再開し、不法移民の国外追放も進める。石油や天然ガスの増産を促し、実業家のイーロン・マスク氏も起用して「連邦政府の効率化」を推進する。

外国製品には10〜20%、中国製品には60%の一律関税を課す。日本には一層の市場開放や防衛費の負担増を求める可能性がある。ロシアのウクライナ侵攻を巡っては、対ウクライナ支援を見直し、早期の和平仲介を目指す姿勢だ。【11月6日 毎日】
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トランプ復権で外交政策は大きく変わります。

****トランプ氏、中露北首脳とディール重視 不透明感も IPEF破棄 有言実行か****
米大統領選で勝利宣言したトランプ前大統領は、再選した場合にバイデン政権の政策を覆すだけでなく、プーチン露大統領や中国の習近平国家主席らとディール(取引)することに意欲を示してきた。地域情勢や世界経済を巡る不透明感が増す可能性がある。

戦争終結を重視
トランプ氏はロシアのウクライナ侵略に関し、就任前にプーチン氏らとの交渉などを通じて「戦争を終わらせる」考えを強調。バイデン政権が日欧などと行ってきたウクライナ支援より、戦争終結を重視している。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記への対応では「私が(ホワイトハウスに)戻れば、彼とうまくやる」と述べ、1期目に直接会談したという自信をのぞかせる。「彼も私の復帰を望んでいる」と語り、ディールへの秋波を送っている。

中国に対しては、台湾に侵攻すれば「150〜200%」の関税を課すと米紙に述べている。これもディールの一環とみられる。台湾有事の際に軍事力を行使する可能性を問われ、「必要ないだろう。習氏は私を尊敬し、私が何をしでかすか分からないことも知っている」と説明。米国の軍事力をちらつかせて台湾侵攻を牽制した。

中国製品には60%の高関税も
中国製品にも60%の高関税を課す考えを示すなど強気の姿勢だ。実際、大統領1期目は対中貿易赤字を問題視して中国製品へ制裁関税を発動し、貿易戦争を繰り広げた。

米製造業を活性化させるため、各国からの輸入品に10〜20%の関税を課すともしている。日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画には強く反対し、買収阻止に動く可能性がある。

バイデン政権が主導した新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」を破棄する意向も示している。1期目には就任前に掲げていた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の離脱を就任直後に実行した。IPEF破棄は有言実行を再び国内外に示すことができる政策だ。【11月6日 産経】
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【トランプ氏を抑止する者はないという状況にも】
更に、上下両院も共和党が押さえて「トリプルレッド」の可能性も。トランプ大統領は非常にやりやすくなります。おさえが効かなくなる・・・とも。

****米共和党、4年ぶりに上院奪還 「トリプルレッド」の可能性****
米連邦議会選の投開票が5日、大統領選と同時に実施された。米主要メディアによると、共和党は上院で非改選議席を含めて過半数の51議席を確保し、4年ぶりの多数派奪還を決めた。

トランプ前大統領も勝ち、接戦の下院を押さえれば、赤をシンボルカラーとする共和党がホワイトハウスと上下両院を独占する「トリプルレッド」となる。
 
米国では議会に立法権と予算編成権があり、上院は閣僚や大使、連邦最高裁判事の人事承認権を握る。

トリプルレッドが実現すれば、トランプ氏は選挙戦で訴えた国境警備強化や減税を実現しやすくなる。一方、チェック機能は弱まり、同氏による大統領権限強化が進む恐れもある。【共11月6日 共同】
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トランプ氏は議会だけでなく、すでに最高裁も前回大統領時に押さえています。さらに今回選挙戦で、これまで民主党候補支持を打ち出していたメディアが、トランプ復権後の報復を恐れて支持を明確にしないといった現象にみられるようにジャーナリズムもトランプ復権に萎縮しているように見えます。

もはや、議会も、司法も、そしてジャーナリズムもさえぎらないとなったとき、トランプ政治はどうなるのか?憂慮すべきことだと考えています。

【戦々恐々のウクライナ 余裕のロシア】
大きく変わる外交政策に関し、現段階で報じられている各国の反応は以下のとおり。

ウクライナ・ゼレンスキー大統領はトランプ氏がウクライナに不利な形での停戦に走ることを警戒しています。

****ウクライナのゼレンスキー大統領、トランプ氏勝利を祝福も「独断専攻」警戒か 米大統領選****
ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は6日、米大統領選で勝利を宣言した共和党のトランプ前大統領を祝福する声明をX(旧ツイッター)に投稿した。

ゼレンスキー氏は9月の訪米時にトランプ氏とロシアの侵略を終結させる方法などを協議したと指摘。トランプ氏が国際情勢で「力による平和」を追求すると約束したことに感謝するとし、「それこそがウクライナに早期に平和をもたらす原理だ」と述べた。その上で、ウクライナと米国が今後、そうした政策を共同で進めることを期待していると表明した。

ウクライナ国内では、トランプ氏が米大統領に返り咲いた場合、ウクライナへの軍事支援を停止したり、ウクライナ抜きでロシアと交渉を試みたりする可能性があるとの懸念が強い。ゼレンスキー氏はトランプ氏がそうした独断専行に出ないよう暗にくぎを刺したものとみられる。【11月6日 産経】
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実際のところは、トランプ氏が提示する停戦に応じない場合、軍事支援が停止される事態になることに戦々恐々といったところも。

****戦々恐々のウクライナ、「トランプ政権発足で切り捨てられるのでは?」―仏メディア****
(中略)大統領選に関連する主張でとりわけ注目されたものの一つに、長期化したロシア・ウクライナ戦争について「私だったら24時間以内に終わらせる」としたトランプ氏による2023年5月の発言だ。

そのためウクライナ政府では、トランプ政権が誕生したら「切り捨てられるのでは」という深刻な懸念が発生しているという。フランスメディアのRFIが伝えた。

ウクライナの元駐米大使であるオレフ・シャムシュル氏は、「トランプ氏が勝利すれば深刻なリスクをもたらす」と述べた。シャムシュル氏はさらに、トランプ氏と彼のチームは「ウクライナが勝つとは考えていない」「中国との対決に集中するために、あらゆる代償を惜しまずに(ロシアとウクライナの)衝突を終わらせたいと考えている」と述べた。

西側メディアの報道によると、トランプ氏の計画はロシアにとって極めて有利だ。まずウクライナには、現状でロシア軍に占領されている地域、すなわち領土の20%の支配を断念させて非軍事化する。ウクライナにはさらに、念願だったNATO加盟も断念させる。

シャムシュル氏は同計画について「(ウクライナにとって)潰滅的だ」と表現し、「ロシアは軍隊を再建し、後日再び攻撃してウクライナを完全に抹殺することができる」と指摘した。

ただし、ウクライナ大統領府のある高官は匿名を条件に、9月にウクライナのゼレンスキー大統領が訪米してトランプ氏と会談した時の状況は「非常に良好だった」と説明し、トランプ氏の心情について「米国がプーチンに敗北する原因になった人物にはなりたくないだろう」と分析した。

同高官によると、ウクライナは米大統領選のハリス氏とトランプ氏の両候補と良好な関係を保つよう「努力している」という。【11月5日 レコードチャイナ】
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一方のプーチン大統領とトランプ氏は考え方がよく合うとされるロシアは余裕の静観の構え。

各国政府が続々とトランプ氏への祝意を伝えるなかで、ロシアの大統領報道官は「プーチン大統領が祝意を伝える計画は把握していない」と述べました。

****ロシア大統領府報道官「1月に何が起きるか見てみよう」…トランプ氏「勝利宣言」に反応****
タス通信によると、ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領府報道官は6日、米大統領選でドナルド・トランプ前大統領が勝利宣言したことに関して、米国が「我が国に対する戦争に直接・間接に関与する非友好国であることを忘れてはならない」と指摘した上で、「(トランプ氏が大統領に就任する)1月に何が起きるか見てみよう」と述べた。トランプ氏の今後の発言に注目する考えを示した。

ロシア国旗=ロイター ペスコフ氏は記者団に対し、プーチン政権が「建設的な対話には前向きだ」と改めて主張。米露関係は史上最悪だとして「この先どうなるかは、次の指導者次第だ」と述べた。

選挙期間中の発言と大統領就任後の発言は変化しうるとも指摘し、トランプ氏の言動を注視する考えを強調した。
プーチン大統領が、トランプ氏に祝福のコメントを出すかどうかは「分からない」と述べるにとどめた。ロシアが米大統領選に介入したと批判されていることに関しては、「我々は強く否定する」と語った。【11月6日 読売】
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****トランプ氏勝利宣言でロシア・報道官「米は国内問題に対処を」****
アメリカ大統領選挙でトランプ氏が事実上の勝利宣言をしたことに対し、ロシア外務省のザハロワ報道官はアメリカは国内問題に対処する必要があると述べました。

ザハロワ報道官は6日、国営メディアのインタビューで今回の大統領選を通じてアメリカは深刻な二極化に陥っていると指摘。他国の問題よりも自国の問題に対処するべきだと述べました。

ロシアのウクライナ侵攻を巡り、戦争を一日で終わらせるとするトランプ氏の公約については具体的な行動が必要だと述べ、懐疑的な姿勢を示しました。【11月6日 KHB】
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【盟友復活を喜ぶイスラエル・ネタニヤフ首相】
イスラエル・ネタニヤフ首相は盟友トランプ氏復活をもろ手をあげて歓迎。

****ネタニヤフ首相トランプ氏祝福「歴史上最高のカムバック」一方ハマスは****
アメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利したことを受け、イスラエルのネタニヤフ首相は「歴史上、最高のカムバック」と称賛しました。

ネタニヤフ首相は6日、自身のSNSにトランプ氏と妻メラニア氏に宛てて「歴史上、最高のカムバック。おめでとう」と祝福のメッセージを投稿しました。

そのうえで「あなたのホワイトハウスへの復帰はアメリカにとって新たな始まりであり、イスラエルとの偉大な同盟関係を力強く再確認する意味を持つ」と強調しました。

トランプ氏は前回の任期中に国際的に認められていないエルサレムを首都と認定してアメリカ大使館を移すなど極端な親イスラエル政策を取ってきました。

ガザ地区やレバノンで戦闘を続けるネタニヤフ首相にとっては望んでいた形になったといえます。

一方、ロイター通信の取材に対し、イスラム組織「ハマス」はトランプ氏の勝利演説に触れ、「戦闘を数時間以内に止められると言う彼の発言がどう結果に結び付くかが試される」と述べました。

また、「バイデンの失敗から学ぶように求める」とも訴えました。【11月6日 テレ朝news】
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ガザ地区住民のなかには、トランプ氏のイスラエル支援で戦闘が長引くことへの懸念も。

****ガザ住民「悪夢続く」と落胆 イスラエル首相は祝意*****
「戦闘はすぐに終わらない。悪夢が続く」。米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことに、戦闘が長引くパレスチナ自治区ガザでは6日、住民から落胆や懸念の声が上がった。

トランプ氏は勝利演説で「戦争を終わらせる」と宣言したが、これまでの姿勢はイスラエル寄りが鮮明。ネタニヤフ首相は「歴史的に最も偉大な(大統領への)復帰だ」と祝意を示した。

ガザ中部で避難生活を送る無職ファリダ・アルグルさん(27)は電話取材に「トランプ氏はイスラエルを熱狂的に支持している。戦闘はすぐには終わらず、それどころか激化するだろう」と声を落とした。

イスラエルの後ろ盾でガザの停戦交渉を仲介する米国の大統領選は、戦闘の行方も左右するとして結果を気にしていたという。

理学療法士ファトマ・ムサさん(23)は「米国はいつもイスラエルを擁護している。大統領が新しくなっても何も期待することはない」と言い切った。無職のヘシャム・アドナンさん(37)は「2人の子どもを抱え、米国の選挙を気にしている場合ではない」と嘆いた。【11月6日 共同】
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トランプ復権でネタニヤフ首相が更に強気になると思われますが、それに対しハマス・ヒズボラがどのように反応するのか・・・場合によっては停戦が早まることも。

【イランの改革派ペゼシュキアン大統領はアメリカの強力が得られず国内的に苦しい立場に】
イランは表向きは「アメリカの大統領選はイランとは無関係」といった姿勢を見せてはいますが、改革派ペゼシュキアン大統領はトランプ氏相手では核合意復活もならず、制裁解除も引き出せない、その事態に国内保守強硬派から批判される・・・と苦しい立場になると予想されます。

かつて改革派のハタミ大統領はアメリカとの関係改善を梃子にした低迷するイラン経済の活性化を目論みましたが、アメリカがこれに応じなかったことで、国内保守強硬からの突き上げを受け弱体化して、国内の改革も頓挫しました。

****イラン政府の広報官「誰が大統領でもイランの政策変わらない」 米大統領選の結果受け****
アメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利を確実にしたことについて、イラン政府の広報官は「誰が大統領になっても政策は変わらない」と述べました。

イラン国営通信は5日、政府の広報官が「アメリカの大統領選はイランとは無関係で、心配することはない」とコメントしたと報じました。

さらに「アメリカとイランの一般的な外交政策は誰が大統領になるかでは変わらない」とも述べたということです。

ハマスやヒズボラなどのイスラム武装組織を支援しているイランとイスラエルの後ろ盾になっているアメリカとの関係は悪化の一途をたどっています。

2018年には当時のトランプ大統領がイランの核開発を制限する「イラン合意」からの離脱を宣言し、経済制裁を再開したため、反発したイランも核開発を再開したとみられています。【11月6日 テレ朝news】
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【現在は対中国強硬姿勢をみせるトランプ氏に中国は警戒 しかし、「取引」がうまくいけば台湾も手に入る?】
中国への強硬姿勢を示すトランプ氏の復権に中国は当然警戒はしていますが、トランプ氏相手なら「取引」でなんとでもなるという思いもあるのでは? 台湾についても。

****中国はトランプ氏の“勝利宣言”をどう受け止める?注目は「関税」と「台湾」****
中国はトランプ氏の“勝利宣言”をどのように受け止めるでしょうか?中継です。

中国が最も警戒しているのは、トランプ氏が「関税」を武器に中国に再び貿易戦争を仕掛けるのでは、ということです。習近平国家主席はトランプ氏が大統領時代、何度も会談しており、ある意味、よく知っている仲と言えるでしょう。

しかし、トランプ氏は予測不能なところがあり、やりにくいと思っているようです。

トランプ氏の再登場で中国が警戒すること。それは「関税」と「台湾」です。

前回、トランプ政権は中国に対し関税措置を発動し、中国もこれに報復するなど、激しい貿易戦争を繰り広げました。それが再び起きるのではないか。中国は非常に警戒していると言えるでしょう。

もう一つは台湾です。先日、トランプ氏が「中国が台湾に侵攻すれば、最大200%の関税を課す」と発言したことに対し、中国政府はさっそく反応しましたが、どのような台湾政策をとるのか、注視しているものとみられます。【11月6日 TBS NEWS DIG】
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上記の事柄はトランプ氏の当選が確実になって数時間の間の話ですので、これから続々といろんな動きがあるでしょう。

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