テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

水槽のミステリ!

2009-11-11 23:24:06 | ブックス
 季節性インフルエンザ予防接種の注射痕が今になって痛み出したネーさです、
 こんにちは……う~む、あいたた~……。

「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ!
 ネーさはァ、はんのうがァ、にぶすぎるゥのでスよゥ!」

 そうかもね~、万事につけトロいんですから……では!
 久しぶりのミステリで頭脳を刺激しなくっちゃ、というわけで、
 さあ、本日は、こちらをどうぞ~!



              ―― まごころを、君に ――


 
 著者は汀こるもの さん、’08年5月に発行されました。
 第37回メフィスト賞受賞作『パラダイス・クローズド』は
 以前に御紹介したのですが……
 その続編ともいうべき作品が出ていたのですね!
 ひゃあ、読みそびれていて、ごめんなさーいっ!

「ネーさ、やぱりィ、にぶいィ……」

 認めます、鈍い、鈍すぎる……。
 でも、鈍いなりにチャレンジいたしましょう、
 摩訶不思議なる《謎》の世界に!

 ものがたりの主役さん、
 いえ、主役さんたちは前作『パラダイス・クローズド』で颯爽と登場、
 ミステリ好きの方々を、
 あ~らまあ、それはありなの?
 と唸らせた双子の兄弟、
 立花真樹(たちばな・まさき)くんと
 立花美樹(たちばな・よしき)くん。

 この兄弟さんときたら、
 お父さんは代議士さんで、
 お家は大金持ちで、
 容姿きわめて端麗で、
 ビールの飲み過ぎでお腹が出ていることもない花の高校生で、

「むむッ、おぼッちゃまッ??」

 その上、弟の真樹くんは探偵で、
 兄の美樹くんは『タナトス(死神)』です。

「……し、しにがッ、あわわわッ」

 美樹くんの身辺では、どういった理屈なのか、
 昔から事件や事故が起こってばかり。
 ゆえに『タナトス』なる有難くない別名を頂戴してしまいました。
 
 美樹くんの身を護るため、
 いえ、美樹くんが間接的に巻き起こす事件や事故から
 一般市民を守るために、
 優秀な刑事さんが常時付き添っているほどです。

「あうゥッ、
 それがァ、ほんとォだとしたらァ、おそろしやッ」

 『死神』扱いされている美樹くんは学校なぞ、
 とうに通っておりませんが、
 弟の真樹くんは高校生活を送っています。
 
 ある日、真樹くんは名探偵だとの噂を耳にした生物部の部員さんが
 奇妙な依頼を寄せました。

 グッピー凍死事件の謎を解いてー!!

「……ぐッ? ぐぴィ???
 えェ~とォ、それッてェ……なにものッ??」

 グッピーはグッピー、
 淡水に棲む小型のオサカナさんです。
 ニホンメダカに似ていて、でもメダカよりはカラフルで、
 人気のあるオサカナさんですが、
 このグッピー凍死事件に係わったがために、
 立花兄弟はまたも巻き起こし、
 いえ、巻き込まれてしまうのでした。
 学校を揺るがす、大事件に――

「ものすごォ~くゥ、いやァなァ、よかんッ、するでス……!」

 《謎》とともに魅力的なのは、
 立花兄弟が全霊をあげて?語るウンチクのパート。
 久々の博識能弁タイプの探偵さん出現に
 古典系ミステリ好きさんはエールを送ることでしょう!
 ストーリー後半、
 突如展開されるシェイクスピア解釈論が
 詩のように美しいのもワンダフル!
 まだ読んでいないわ~という御方は、
 まずはシリーズ第一作『パラダイス・クローズド』から
 順を追って、こちらの御本へ、ぜひ~!

「おさかなのォ、そこなしィせかいィはァ……おそろしッ!」
  
コメント
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