テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

きらめくモードに。

2009-11-09 23:21:51 | ブックス
 さあ今週も読書の時間がやってまいりました♪
 こんにちは、ネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!」
 
 前回の記事で御紹介しましたのは、映画の作品論でしたが、
 本日は……アートとモードの分野から、この一冊を、どうぞ~!



          ―― ファッションから名画を読む ――



 著者は深井晃子さん、’09年3月に発行されました。
 『カラー版』と題名に冠されているように、
 カラー図版が豊富に掲載されています。

「ひょうしのォ、おねえさんッ、かッこよすぎィ~!」

 北のモナリザと称されるヨハネス・フェルメールさんの名画
 『青いターバンの少女』ですね。
 ネーさも、だいっすきぃっな作品ですわ。
 時を経ても色あせないブルーのターバン、
 『耳飾の少女』と別名されるほど有名な真珠の耳飾り……

 著者の深井さんは、こういった
 絵画の中の《脇役》的なモードに目を留めます。
 いえ、脇役……?なんて、とんでもない!
 少女の耳で揺れる真珠の粒のように、
 小さなアクセサリーやドレスの模様が、
 画家さんたち、モデルさんたちの
 時代、背景、文化や習慣、
 果ては科学(化学)の発展状況までも映しだします。

「ふァ~? かがくゥ~??」

 例を挙げれば、肖像画に見るイブニングドレスの色合いです。
 ルノアールさん描く『パリジェンヌ』(1874)を見てみましょう――
 巨匠が描いたドレスの色は、
 それ以前の時代には存在しなかった『青』なのです。
 化学の力で新しく発明された染料で絹布を染め、
 最新流行の型に仕立てたドレスを
 誇らしげに着て画家(観客)さんの前に立つお嬢さん。
 絵画版『時代の申し子』と評するべきかもしれない作品です。

「かたちもォ、かわッてまスゥ~」

 時代、身分、年齢、裕福の度合いや、お国柄によって、
 女性も男性も、その身にまとうファッションは
 多彩であり、
 記号のようでもありますね。
 ファッションを眺めれば、
 描かれている主題や人物の時代、境遇、感情さえも判明します。

「うむッ!
 えのなかのォ、ふぁッしょんはァ、じょうほうゥ、なのでス!」

 アート好きさん、
 肖像画好きな御方にはとても楽しめる御本です。
 フランス文学好きさんは、37ページ左上の図版に御注意を!
 プルーストの小説のモデルとなったという
 モンテスキュー伯爵を描いたホイッスラーさんの画が載っています。
 なんとスタイリッシュ!
 なんという黒の美でしょう!
 小さな図版ですけれども、
 この御本を象徴するような肖像画です。
 ぜひとも、御覧下さい!

「うィうィッ、めるしィ~♪」
  
コメント
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