テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

月の雫か、天の露か。

2009-11-23 23:23:03 | ブックス
 美しいものを愛する皆さま、
 えっへん、こんにちは、ネーさでございます。

「こんにちわゥ、テディちゃでございまスるゥ~!
 むむッ、まばゆいィかがやきッ!」

 その輝きは、月の雫か、天の露か……
 本日ご紹介いたしますのは、五千年の昔から人類を魅了し続ける、
 或る美しい宝飾品についての一冊です。
 さあ、こちらを、どうぞ~!


 
               ―― 真珠 美の壺 ――



 編者はNHK『美の壺』制作班のみなさん、’09年10月に発行されました。
 女王の如き威厳を放っている表紙の『真珠』は
 19世紀に英国で製作された装身具セットです。
 なぁんてきれいなんでしょ……♪

「ちッちゃなァ、しんじゅッ、
 おッきなァ、しんじゅッ、
 なんびゃくつぶもォ、つかわれてまスねッ♪」

 真珠が人類とともにあったのは、
 日本では約5500年前の縄文時代から。
 古代のエジプトや、
 シーザーさんたちが闊歩した古代のローマでも、
 比類ないその美しさゆえに何よりも愛されたのでした。

「なによりもォ?」

 ローマの学者、プリニウスさんはこう言っているそうですよ。
 『真珠はあらゆる貴重なものの中で第一の地位を占める』と。
 
「がくしゃさんもォ、みとめるゥうつくしさァでスねッ!」

 普通、『真珠』と聞いて思い浮かべるのは、
 アコヤガイから生まれる白い、いえ、真珠色というべき白さの、
 丸い粒のもの、なのですが、
 この御本ではそれ以外の『真珠』も取り上げられています。
 
 歪んだ形状の、バロックパール。

「どれひとつとしてェ、おなじィものはァありませんッ!」

 ピンクガイ(コンク貝)から生まれる、コンクパール。

「ぴんくゥでス! ひゃあァ、びッくりィ!」

 ホタテ貝から生まれるのは、スキャロップパール。

「びみょうなァ、ちゃいろッ!」

 アコヤガイの真珠とは質感が違うようですけれど、
 これもまた美しいものですね。
 千に一つ、万に一つの偶然が育て上げた小さな奇跡です。

 小さな奇跡は、女性だけでなく、
 世の男性をもトリコにしてきました。
 真珠って、どんな風に出来るんだろう?
 どうやったら、作れるんだろうか……?

 古今東西、真珠生成の謎に挑戦してきたのは多くの学者さんたちと、
 何人かの日本人たち――
 その中に、鳥羽のうどん屋さんの長男である、
 御木本幸吉さんという御方がおられました。
 
「あッ、テディちゃ、しッてまスでスゥ!
 しんじゅのォおうさまッ!なのでスよゥ!」

 御木本さんはどのように真珠の養殖を成し遂げてゆくのか?
 いびつなカケラに始まり、
 真円により近い珠型のパールへ、
 その道のりの、いかに遠く、険しかったことでしょう……。

「たいへんなァ、おしごとォでしたァ……」

 決して分厚くはない御本ですが、
 真珠の魅力をあますところなく伝えてくれる文章と写真が
 満載されています。
 アクセ好きの女性の方々、
 歴史好きさん、偉人伝好きな御方にもおすすめ、ですよ~♪
 バロック美術好きさんも、ぜひ御覧あれ!

「めずらしィしんじゅにィ、びッくりィしましょゥ!」
 
コメント
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