テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

キューブなヒーロー!

2009-11-04 22:05:47 | ブックス
「あはッ♪
 これはァ、あとむちゃんのォ、ほんッ!……ッてェ、あれッ??
 ネーさ! このォあとむちゃんッ、なんだかァ、へんでスよッ??」

 その疑問にお答えいたしましょう、テディちゃ。
 とざいとーざいぃ、本日御覧にいれまするは、
 とある摩訶不思議なる世界のものがたりぃ~!
 さあさ、こちらを、どうぞ~!


 
             ―― キュービックアトム ――



 原作は手塚治虫さん、著者は手塚プロダクションさん&キッカワケイタさん、
 ’09年9月に発行されました。
 『Tezuka Meets Hakoshi! Visual Book Cubic ATOM』と英題が付されています。

「きゅーびッくゥ……?
 しかくいィあとむちゃんッ?」

 この御本の冒頭の文章を読み込めば、
 キューブな事情が分かりやすくなるかもしれませんよ。
 失礼ながら、ちょこっと引用させていただきましょう。

  ここは とある不思議な森
  あたりに漂う甘い香りを吸うと
  みんな箱型になってしまう 
  摩訶不思議な場所でした――

 ええ、その不思議な森を歩き、
 自分の身体が箱型になっているのを発見したのは
 天馬博士。
 科学省の長官さんであり、
 ロボット工学の天才、
 そして……息子トビオを失くして嘆き悲しむひとりの父親でした。

 天馬博士は天啓を得ます。

 そうだ! トビオも箱型ロボットとして復活させよう!

「うむうむッ!
 あとむちゃんのォ、たんじょうゥでスねッ!」

 かくして生まれた最高の性能を持つロボット、
 《キュービック・アトム》。

 けれども、幼いアトムを待ち受けていたのはあまりに過酷な
 激動の日々であるのだと、
 いったい科学省の技術者の誰が予想したでしょう――

「がんばれェ、きゅーびッく・あとむちゃんッ!」

 キュービックなアトムくん、って?
 それなぁに?
 だいじょうぶなのぉ?
 なんだかイヤな予感が?
 と不安にかられつつ御本を開いてゆけば……

 アトムくんです!
 かたちは、キューブなのですが、
 それでもやっぱり、ここにいるのは、アトムくん!

「ちいさなァからだにィ、じゅうまんばりきィ!」

 映画に例えるならば、
 脚本の勝利!でしょうか。
 見た目がどうであれ、
 手塚治虫さんの創り上げたストーリーは完璧です。
 キュービックでもアトムはアトム!
 いえ、キューブという新たな衣をまとったNewアトムは
 手塚さんのストーリーを経て
 大きく羽ばたく新世代の人工知能/生命であるとも感じられます。

「うむッ! いんぱくとォ、あるのでスゥ!」

 『アトム誕生』、
 『電光人間』、
 『最強プルートゥ』、
 『最期の日』、
 4編のキュービック・アトムストーリーは、
 忘れ難い、魅力的なものがたりです。

 TEZUKAファンの方々は、
 ぜひ、キュービックなアトムくんも御贔屓に!
 『キューブな地球』も、必見ですよ♪

「うらんちゃんとォ、こばるとくんもォ、きゃわゆいィのでスゥ!」
コメント
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