テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 驚きがいっぱい!な《食》世界 ~

2013-01-31 23:18:03 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もうすぐゥ~せつぶんッ!」
「がるる!ぐるるがるるぅ!」(←訳:虎です!豆まきしなきゃ!)

 こんにちは、ネーさです。
 春めいてきた(と思いたい)今日の読書タイムは、
 とびっきりの御本を用意いたしましたよ~♪
 さあ、ときっきりステキで、
 とびっきり異色な一冊を、どうぞ~!

  



 
               ―― 移民の宴(うたげ) ――



 著者は高野秀行さん、2012年11月に発行されました。
 『日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活』と副題が付されています。

「あはァ! おなじみのォ、たかのさんッ!」
「ぐるるがるがるっ!」(←訳:探検家さんだねっ!)

 アフリカやトルコで怪獣を追い、
 紛争地帯のジャングルを歩き倒し、
 サハラ砂漠をマラソンで制覇し、
 御自身の腰痛を究明すべく奔走し、
 すべての塀も柵も枠も彼の前には無意味!と言いたくなる驚異の作家・高野秀行さん。

    《誰もやらない本を書く》

 をモットーにしている高野さん、
 この御本でも挑戦し続けています!

「こんかいのォ、てーまはァ!」
「がるがるるぐる!」(←訳:移民さんの食卓!)

 副題にありますように、
 高野さん、この作品では
 日本に暮らしている外国人さんの食事情についてのリサーチに取り組みました。

 外国人――というより、
 出身地は遠い異国だけれども、
 通過点としてではなく定住の地として長く日本国内に暮らす
 『外国籍日本人』とも呼ぶべき人びと。

 彼ら/彼女らの毎日のゴハンって、
 どうなっているのでしょう?

「どんなものをォ、たべてるんでスかッ?」
「ぐるる? がるる?」(←訳:食材は? 料理法は?)

 なんとなく、私たちも耳にしてはいますよね。
 宗教によってタブーの食材がある、とか。
 時刻・曜日・期間などで食べちゃダメ、とか。
 独特の調理の手順、スパイス、とかもね。

「しらべましょうッ!」
「がるがるぐぅる!」(←訳:取材しましょう!)

 成田にあるタイ寺院では、タイのお料理を。
 ベリーダンスの教師をしているイラン女性のイラン料理。
 神楽坂のフランス人シェフたち。
 そして、群馬県のモスク、
 沖縄色の濃いブラジル人、
 ロシア正教のクリスマス……

 取材を重ねる最中、
 あの震災が起こりました。
 余震が止まぬ日々、
 被災地で、
 或いは物資の流通が滞った日本の各地で、
 “外国籍日本人”の皆さんは
 どう過ごされていたのか、
 著者・高野さんは
 調べ、
 赴き、
 記事にします。

「やッぱりィ、たかのさんはァ~」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:冒険家魂の持ち主!)

 《食》と、《食》にとどまらぬ移民さんたちの背景、心もよう。

 既成概念の壁をガンガン崩してゆく高野さんの取材力、
 今回も冴えていますよ!

「たのしくゥ、のんでェ~、たのしくゥ、うたうッ!」
「がるるるるぐるぐるがぅる!」(←訳:国境なんて跳び越えちゃえ!)

 『移民』という、
 人によっては不快を感じるかもしれない言葉を敢えて使った理由を、
 高野さんは御本の中で記しています。
 そういったエピソードも含め、
 すべてが新鮮で斬新な、
 日本の中の世界の《宴》、
 活字マニア諸氏も、ぜひ御参加くださ~い♪
 
 
コメント
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