テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

地獄でさえも。

2014-08-07 21:41:50 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……りッしゅうゥ~???」
「がるる!ぐるるるっがる?」(←訳:虎です!何ですかっそれ?)

 こんにちは、ネーさです。
 立秋……なんですけれど、今日も猛暑の東京・八王子市から、
 さあ、読書タ~イム!
 本日は、こちらを、どうぞ~!

  



 
                ―― 蘇る変態 ――



 著者は星野源(ほしの・げん)さん、2014年5月に発行されました。
 音楽家・俳優・文筆家としての星野さんの活躍ぶりを
 活字マニアの皆さまは御存知のことでしょうが、

「へッ? へんたいィ??」
「っるぐる?」(←訳:ってあの?)

 ええ、御本の題名は誤植じゃありませんよ。
 私ネーさのキーボート打ち間違えでもありません。
 正真正銘の、変態、です。

 著者・星野さんは日本変態協会の正会員さん、なのだそうです
 (協会会長はタモリさん、副会長は笑福亭鶴瓶さん)。

 そのせいなのかどうか、
 この御本に収録されているエッセイが女性誌『GINZA』に
 《銀座鉄道の夜》として連載されたときは、
 編集部さんから、
 そこまではちょっと……と泣かれて修正しちゃった箇所もありました。

 でも!
 書籍化に際して『丁寧に加筆』(←あとがきより)し、
 過激度はスケールアップ!
 忌憚なく、遠慮なく、
 日々の細部を綴ったエッセイが光ります。

「おじィちゃんのォ、おはなしィ! いいねッ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:曲作りのお話も!)
「まんがッ♪ あにめッ♪」
「ぐるるがるるるぐる!」(←訳:Mステ初出演のお話!)

 けれど、この御本の中で比類ない光を放つのは。

 御本の後半部分、
 『生きる』
 『生きる2』
 『楽しい地獄だより』
 の3編から成る、星野さんの闘病記です。

 前回記事で御紹介した日本画家・平山郁夫さんと同じく、
 星野さんもまた、
 “病と闘った人”なのでした――

「びッくりィ、したのでスよゥ!」
「がるぐるるる!」(←訳:心配しました!)

 くも膜化出血(脳動脈瘤破裂)。

 2012年12月、
 緊急入院と手術以降の出来事を、星野さんは

    《ありのままを書こうと思う》

 という一文から始めます。

 自分の身体にいったい何が起こったのか。
 病は自分をどこへ運び、どう変えてゆくのか。
 信じ難いこの痛みが
 癒えることなどあるのか。

 いや、治る。
 治すんだ。

 その思いの丈、記憶を、
 石に刻むように、
 文章にしてゆく……。

「すごいィ~はくりょくゥ!」
「ぐるがるるる~…!」(←訳:怖いくらいだ~…!)

 やや逆説的ではありますが、
 こんなに“活き活き”とした闘病記は他に類を見ません。

 
 地獄を見た日々。
 そして、リハビリの日々、ゆっくり復活してゆく日々。

「ふッかつしてェ、よかッたァ!」
「がるぐるるぅ!」(←訳:安心したよぅ!)

 星野さんのファンの方々はもちろん、
 幅広~い活字マニアさんにおすすめの一冊です。
 この夏のBEST本になるかもしれない傑作を、ぜひ!





 
 
 
 
コメント
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