テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

友たるワンコと。

2014-08-24 21:48:35 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もりあがるゥ~すぺいんッ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!最速でGO!)

 こんにちは、ネーさです。
 2014ブエルタ・ア・エスパーニャは幸いにもお天気に恵まれているようで、
 熱い闘いが全開!
 初日のチームTT(タイムトライアル)に続き、
 今日からはステージレースが始まります。
 読書タイムも頑張らなくちゃ!というわけで、
 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~!

  



               ―― 走ろうぜ、マージ ――



 著者は馳星周(はせ・せいしゅう)さん、2014年7月に発行されました。
 2006年に刊行された単行本に加筆・修正、新たな写真も加えて
 ↑画像の文庫版が完成しましたよ。

「わんこだァ!」
「ぐるるる!」(←訳:デカいぞ!)

 活字マニアの皆さまも、
 目にした経験はある……かしら?

 バーニーズ・マウンテン・ドッグ、
 別名ベルナー・ゼネンフト。
 『ベルンの山犬』という意味の名の、大型犬を。

 黒と白と茶色のトライカラーで、
 愛らしい外見のバーニーズは、
 しかし、哀しい歴史を有する犬種なのです。

 第一次世界大戦後、絶滅の危機に瀕していたバーニーズ
 熱心なブリーダーたちの手によって復活しましたが……

「ふァ~、ぜつめつゥしなくてよかツたァ!」
「がるる!」(←訳:祝復活!)

 それがね、絶滅しかけた……ということは、
 個体数が少ない、ということなのよ。
 つまり、遺伝子的な余裕がない、のです。
 その結果、

    骨格、関節などに先天的な障害を持つ個体が多く、
    他の犬種に比べ、癌などの疾病も多い。

 と、御本の冒頭で、著者・馳さんも述べています。

「あうゥ、びょうきィ~…」
「ぐるるるるぅ~…」(←訳:そうなのかぁ~…)

 作家さんである馳さんの愛犬こそ、その
 バーニーズ・マウンテン・ドッグ。

 可愛い女子犬マージ11歳と、
 わんぱく坊主のワルテル1歳。
 
 ふたり(2匹、とか言いませんよ!)をひたすら愛する馳さんは、
 東京での都会暮らしから、
 軽井沢での田舎暮らしにシフトチェンジしようとしていました。

 何故なら、
 マージが病気になってしまったから。

 東京では散歩も出来なくなるほど弱っていたのに、
 軽井沢では、彼女の眼は輝きます。
 緑の中にすっくと立って、
 歩き、遊び、
 他のワンコと追いかけっこだってしちゃいます。

「かるいざわがァ~、おきにいりィ!」
「がるるるぐるるぅ!」(←訳:気持ちは分かるぅ!)

 ここに住むか。
 マージのため、
 いや、マージとワルテルのために。

「そうしようッ!」
「ぐるるー!」(←訳:移住だー!)

 この御本は、
 馳さんの軽井沢移住記であり、
 マージの病と闘う記録です。

 そしてまた、
 愛するものの苦しみをただ見ていることしか出来ないひとりのワンコ飼いさんの
 慟哭の記録でもあります。
 いま現在、犬たちと暮らしている方々、
 愛犬の病気と格闘している方々のとっては、
 読むのがちょっとつらい本、かもしれません。

 
 でも、
 犬たちを友とする、友以上の存在として、
 ともに暮らしてゆく――
 そんな姿勢を貫く覚悟を決めている御方には、
 まさに得難い一冊となるはずです。

「いつもォ、まーじとともにィ!」
「がるるるるぐるる!」(←訳:ワルテルとともに!)

 ワンコ好きな活字マニアさんは
 この御本と、
 馳さんのブログもぜひ、お読みくださいね♪
 特に、馳さんのワンコ写真ったらもう最高ですよ~!




コメント
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