テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 八咫烏たちの、別世界 ―

2014-08-21 21:34:03 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでスゥ~…。
 ばてばてェ、でスゥ~…」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!ボクも夏バテ!)

 こんにちは、ネーさです。
 8月も半分を過ぎて、夏の疲れがズシーンと感じられますね。
 そんなときは、お仕事も家事も宿題もちょこっとペースダウンして、
 余った時間を読書タイムに充てましょう。
 本日おすすめの一冊は、こちらですよ~♪

  



              ―― 黄金のカラス ――



 著者は阿部智里(あべ・ちさと)さん、2014年7月に発行されました。
 書名の『黄金の烏』は『きんのからす』とお読みくださいね。

「からすゥ、でスかッ?」
「ぐぅるぅる?」(←訳:カァカァの?)

 歌の中で、現実で、確かにカラスはカァカァ鳴きますが、
 この御本の中では、カァカァではなくて
 言葉を喋っています。

 というのも、
 彼/彼女たちは《八咫烏(やたがらす)》なる生きもの、なのですから。

「あッ、テディちゃ、しッてるゥでス!」
「がっるーぐる!」(←訳:サッカーだね!)

 そうですね、
 サッカー日本代表のシンボルマークとしても知られるのが、
 三本足のカラス――《八咫烏》。

 《八咫烏》は、いわば神話上の生き物ですが、
 この御本の中では、生きています。

 八咫烏一族が支配する、
 山内(やまうち)という世界。
 
 その山内を総べる貴族階級の八咫烏たち、
 一般市民や、
 階級社会をドロップアウトしちゃった八咫烏たち。

「わはっ、にんげんみたいィ!」
「ぐっるるるがる!」(←訳:ルックスも人間!)

 人間(ヒト)と変わらぬ八咫烏たちの世界には、
 まるで人間がしでかすかのような、
 事件や事故も起こります。

 八咫烏たちの世界の北。、
 一応は貴族の生まれですけれど、
 未成年で、子ども扱いされている雪哉(ゆきや)くん。

 雪哉くんの故郷で、
 いま大問題になっているのが
 八咫烏たちの意識を狂わせる奇怪な薬品の密かな流行でした。

「ええッ? それッてェ~…」
「がるる!」(←訳:まるで!)

 雪哉くんと家族たち、
 八咫烏の役人さんたちは
 薬品の流通を阻止し、根絶すべく捜査に取りかかります。
 が、想像以上に事態は複雑。
 謎の薬品の源はどこか、
 何者が製造しているのか……?

「ますますゥ、にんげんッ!」
「ぐるるがっるる!」(←訳:人間界そっくり!)

 阿部さんのデビュー作にして松本清張賞受賞作品『烏に単は似合わない』、
 その続編?ともいえる『烏は主を選ばない』に続く、
 シリーズ第三作がこの御本です。

 ファンタジーであり、
 本格ミステリであり、
 どうやら大河ドラマ的展開になりそうな物語、
 ミステリ好きさんもSFファンタジー好きな御方も、
 ぜひ手に取ってみてくださいな♪

「からすにィ、なッてェ!」
「がるるるぐるる~!」(←訳:別世界を覗こう~!)

 苗村さとみさんによる装画もステキですので、御注目を♪




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