テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

甘党さんの、とっておき!

2014-08-31 21:39:18 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぐーぐーッ!」
「がるる!ぐるーっ!」(←訳:虎です!ぐぐーっ!)

 こんにちは、ネーさです。
 秋の野に響くのはポンポコ狸の腹太鼓の音か、
 はたまたお腹の虫が鳴く音か……
 8月最後の読書タイムである本日は、
 さりげなく食欲をかきたててくれちゃう、
 こちらの御本を、どうぞ~!

  



                ―― まるまるの毬 ――



 著者は西條奈加(さいじょう・なか)さん、2014年6月に発行されました。
 書名の『毬』には『いが』とルビが振られています……ので、
 『まるまるのいが』とお読みくださいね。

「ふァ?? まるまるのォ、いがッ??」
「ぐるがるぐるる??」(←訳:何のことだろう?)

 『まるまる』とは
 西国のお菓子屋での『お団子』の呼び名。

 そして、いが――トゲトゲのあるもの、といえば……

「あッ! わきゃッたでス!」
「がるる!!」(←訳:栗だね!!)

 丸いお団子の上に、
 栗の毬=いが栗に見立てた黄色い米粒をたっぷり乗せた餅菓子。

 日本の各地で作られていた、
 細部や形は多少違っても“秋のお菓子”として知られていたものを、
 お江戸・麹町(こうじまち)の菓子屋
 《南星屋(なんぼしや)》の主・治兵衛(じへえ)さんは、
 黄色い米粒の代わりに
 栗を裏ごしして、お団子の上半分にまぶしました。

 はい! 南星屋特製まるまる毬の出来上がりです!

「あはァ! おかしィ~♪♪」
「ぐるるるがるるぅ!」(←訳:お菓子屋さんだぁ!)

 ええ、そうなんです。
 南星屋さんは、行列の絶えないお菓子屋さん。
 麹町界隈では知らぬ者とてありません。
 遠くから買いに来る人も多いんですよ。

 お店は、治兵衛さんと、
 娘のお永(えい)さん、
 お永さんの娘で治兵衛さんの孫にあたる看板娘のお君(きみ)ちゃん。
 
 たった三人で切り盛りする小さな店ですけれど、
 味は確かだと評判です。
 いいわね~♪
 ネーさも食べてみたいわ~♪

「テディちゃもッ!」
「がるる!」(←訳:ボクも!)

 繁盛するお店と、
 仲の良い家族。
 お江戸を舞台にした美味しくも楽しい連作短編集……と思ったら。

 あらら、風向きがヘンですよ?
 或る日、奉行所の同心さんたちが
 治兵衛さんの身柄を拘束!
 有無を言わさず引っ立てていっちゃいました!

「ええええェッ? なぜッ??」
「ぐるるがるるぐるる?」(←訳:お菓子作りは罪なの?)

 治兵衛さんにも、さっぱりワケが分かりません。
 いったいどうしてこうなった?

「なにかのォ、まちがいィ?」
「がるるるっ!」(←訳:濡れ衣だっ!)

 江戸も後期にさしかかろうという時代、
 治兵衛さんの身の周りで起きる
 お菓子にまつわる数々の物語。

 ちょっぴりミステリテイストも香る7作品は
 腹ペコな甘党活字マニアさんに熱烈おすすめです。
 とっておきのお気に入りお菓子とともに
 お読みくださいな~♪

「おまんじゅうゥ!」
「ぐる!」(←訳:羊羹!)

 では、ボナペティ!

 




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする