テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

14世紀の、正義はどこに?

2014-08-17 21:47:20 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 みなさまァ、おつかれさまァでしたでス!」
「がるる!ぐるるがるー!」(←訳:虎です!お疲れさまー!)

 こんにちは、ネーさです。
 帰省した御方、これからお休みを予定しておられる方々も
 バタバタのお盆休み週間、
 それなりに疲れちゃったことでしょう。
 ならば、お休み明けの読書タイムは、
 肩の凝らないコミックスを、さあ、どうぞ~♪

  



             ―― 修道士ファルコ vol.4 ――



 著者は青池保子さん、2014年8月に発行されました。
 時代は14世紀、
 舞台はドイツの修道院、
 主人公は俗世で名高い騎士であった修道士さん……という、
 ちょっと変わり種?な人気シリーズ《修道士ファルコ》の
 第4巻です~!

「むかしのォ、おぼうさまはァ~」
「ぐるがるるる!」(←訳:脳天つるりん!)

 剃髪(トンスラ)、ってお言いなさい、剃髪!

 中世の頃は、キリスト教の僧侶さんにとって
 ごく一般的な髪型であった剃髪を、
 とある理由から禁止されている修道士――
 ナバーラ出身のファルコさん。

 ドイツにあるシトー派の
 リリエンタール修道院に身を寄せて、
 もうすっかり神に仕える日々にも馴染み……

「なじんでェないィでスゥ!」
「がるぐるるー!」(←訳:また事件だー!)

 そうなのよね、
 清廉な祈りの暮らしに浸っていたくても、
 何故かいつも邪魔されて、
 事件に巻き込まれてしまうファルコ修道士、
 今回は《私闘》騒動に係わることに
 なってしまいました。

「しとうゥッ???」
「ぐるがるぅ~?」(←訳:それなにぃ~?)

 この御本では《私闘》に『フェーデ』とルビが当てられていますが、
 単なる喧嘩よりずっと規模の大きい争い、
 といったところでしょうか。

 たとえば、
 シェイクスピアさんが『ロミオとジュリエット』で描いた、
 キャピュレット家とモンタギュー家の抗争、のような。

「ううゥむッ、おおげんかッ!」
「がるぐるるるるる!」(←訳:誰も止められない!)

 一族あげて、敵対する家系の人間と
 何年も争い続ける。
 こういうお話は南欧だけかと思っていたら、
 アルプスの北、ドイツの地でもあったんですね。

 リンハルト家とギーシェ家、
 両家の《私闘》は15年前に治まったのだと考えられていましたが、
 いまふたたび、争いに火が点きました。

 ファルコさんたち修道院の面々は
 甦った悪意の連鎖を断ち切るため、
 《私闘》で滅ばされた者の亡霊が出る……と恐れられている湖へ
 謎を解明しに出発します。

「のーもあァ、けんかッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:平和がいい!)

 さあ、いかにして
 《私闘》を止めさせましょう?
 修道士さんたちの知恵の見せ所ですよ~♪♪

「ふぁるこォおにィさんのォ、かつやくにィ~!」
「がるぐるる!」(←訳:期待すべし!)

 歴史好きな活字マニアさんにおすすめの漫画作品、
 ぜひ、1巻目から順に読破してくださいね。
 苦手な世界史が明日から楽しくなっちゃう名シリーズです!

  

  なお、京都国際マンガミュージアムで、
  青池保子さんの原画展が開催されます(2014年11月1日~2015年2月1日)。
  関西在住のファンの方々は、ぜひお出掛けを~!

 「ゆきたいィ!みたいィ!」
 「がるぐるる~!」(←訳:京都行こう~!)




  
コメント
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