テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《偽物》に、ニヤリ?

2014-09-29 21:37:52 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わわゥ! またァ、あッちゃッたァ!」
「がるる!ぐるがるる~?」(←訳:虎です!よく会うね~?)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、今日の午後、またも至近距離で出会ってしまったのは
 『Google』さんのストリートビュー撮影車両でした。
 ばっちり写って……いないことを祈りながら、
 本日の読書タイムは、さあ、こちらの御本ですよ~♪

  



                 ―― 芥川症 ――



 著者は久坂部 羊(くさかべ・よう)さん、2014年6月に発行されました。
 『AKUTAGAWA'S SYMPTOM』と英語題名が付されたこの御本、
 笑えます。
 題名と、表紙だけで、
 もう、ぷふふっ、と吹き出してしまいます。

「きひひひッ♪」
「ぐるるっ♪」(←訳:クススっ♪)

 勘のよい方々は、既に察しておられることでしょう。
 これは……パロディ/パスティーシュ作品ではなかろうかと。

 そう推測しつつ、
 御本の目次ページを開いてみると、
 ああ、やはり?
 収録作品は、順に、

   『病院の中』
   『他生門』
   『耳』
   『クモの意図』
   『極楽変』
   『バナナ粥』
   『或利口の一生』

 これは……

「どこかでェ、みたぞッ?」
「がるるぐるがるぅ!」(←訳:聞いたことあるぅ!)

 ありますよねえ、活字マニアさんならば。
 芥川龍之介さんの、代表作品名をパロったら斯くも成らん、
 ってとこですが、
 さて?
 はたして中身までもパロディなのでしょうか。

「ええッとォ~、うゥ~んッ?」
「ぐるっるがるるる~?」(←訳:これって何だろ~?)

 著者・久坂部さんは、大阪大学医学部卒、
 外務省の医務官として海外勤務、
 高齢者が対象の在宅訪問診療に従事し、
 『悪医』で2014年日本医療小説大賞を受賞されたという、
 医療テーマを本領とする作家さんです。

 この御本に収録されている7作品も、
 病院が舞台だったり、
 登場人物はお医者さんや患者さんだったりします。

 なので、物語も必然的に重く、暗~く……

 なったりしていないところが、
 著者さんの度量の大きさ、でしょう♪

「いがいにィ、あかるいィ??」
「がるるるぐるるがる!」(←訳:真面目と笑いが共存!)

 私ネーさのおすすめは、
 『クモの意図』。

 落語のノリと、
 ハイテンションな深夜勤務の看護師さんたちが
 絶妙にお似合いです!
 もしや、このお話って事実なんじゃ……?と思うくらいに。

「ぷふふふッ♪」
「ぐるるっ♪」

 どこがどうパロディ/パスティーシュなのか、
 ここで明かすことは出来ませんが、
 そうよね!漱石さんのネコちゃんばっかじゃなく、
 芥川さんだって、
 こういう形で現代に“再生”してもいいんじゃないかしら?と
 応援の旗を振りたくなる御本です。

 芥川さんマニアの方々、
 けしからん!と怒るより先に、
 まずはとにかく、一読を♪

「よみおえたらァ、きッとォ~…」
「がるぐるるがるるる!」(←訳:拍手したくなります!)




 
 
 
コメント
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