テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

白黒&極彩色の、宝物!

2014-09-23 21:36:04 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 ちょうどォ、はんぶゥ~んッ!」
「がるる!ぐるるるがぅるるぅ!」(←訳:虎です!昼と夜がフィフティ!)

 こんにちは、ネーさです。
 秋分の日を迎え、冬に向けて夜が長くなってゆきますね。
 本日は、夜半の読書タイムに相応しい、
 ちょっとダークな??アート本を、さあ、どうぞ~!

  



              ―― ハリー・クラーク ――



 解説&監修は海野弘(うんの・ひろし)さん、2014年9月に発行されました。
 『アイルランドの挿絵とステンドグラスの世界』と副題が付されています。

 ハリー・クラークさん、といっても
 うぅ~ん、現代の日本では、余程のアート好きさんしか御存じない、
 かもしれませんが……

 ええ、この機会に憶えちゃいましょう!

 ハリー・クラーク(Harry Clarke)さん、
 1889年アイルランド生まれ、1931年スイスにて没。
 20世紀前半に活躍した挿絵画家さんであり、
 ステンドグラス作家さんでした。

「さしえがかさんッ?」
「ぐるるがるがる?」(←訳:どんな本の挿絵?)

 アラビアンナイトやシェイクスピア、
 グリム童話、アンデルセン、妖精物語……等々、
 画家さんたちの想像力を刺激する作品は多々ありますが、
 描き手さんたちにとって
 “強敵”
 のひとりとされているのは、
 エドガー・アラン・ポーさん。

「あはァ! ぽーおじさんッ!」
「がるるるるぐるるる!」(←訳:詩人さんで作家さん!)

 ポーさんの作品は、どれも幻想的で、
 美しくもあり、怖ろしくもあり、
 神々しく、それでいて禍々しくもあって、
 非情に多面性が高く、
 視覚化には困難が伴います。

 大勢の画家さんが、
 ポーさんの作品の挿絵制作にトライしては、
 迫力が足りない!
 恐怖感が欠けてる!
 キレイすぎる!
 などと批判されたりした中で――

 ハリー・クラークさんだけは、格別!

「……こわいィ~のでスかッ?」
「……ぐるるぐるるっ?」(←訳:……おどろおどろッ?)

 E・A・ポーさんの生没年は1809~1849ですから、
 クラークさんとポーさんの生涯に接点はない、のですけれど。

 クラークさんの描くポーさんの挿絵は、
 最もポーさんらしい!
 雰囲気がポーさんそのもの!
 と評価されています。

 ペンと黒インクでみっちり描き込んだ画。
 華麗でありつつ、どこかダークなカラー画。
 一度目にすると、
 クラークさん以外のポー作品の挿絵は
 物足りなく思えてくるから不思議です。

 この御本では、
 クラークさんの制作のもうひとつの柱、
 ステンドグラス作品が豊富に紹介されているのも
 すごい、いえ、素晴らしいことです!
 
 歴史の彼方に埋もれかかっていたステンドグラス作家としてのクラークさんに、
 あらためて脚光をあてた、のですから、
 労力はたいへんなものだったことでしょう。

「はくしゅッ、でスねッ!」
「がるる!」(←訳:大拍手!)

 めちゃくちゃマイナー、
 いまどき100年も昔の挿絵なんて、と
 呆れる活字マニアさんもおられましょうが、
 アート好きさんは
 ぜひぜひ、書店さんのアート本コーナーへ!
 
 昔むかしの《宝物》を、
 目に焼きつけてくださいね♪ 

「ぽーおじさんのォ~まにあさんはァ~」
「ぐるる~…」(←訳:絶対に~…)
「みるべしィ!」
 


 
コメント
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