テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

練達の《本》。

2015-06-04 21:45:06 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うむむッ!じょしさッかーもォ、はじまりまスぞッ!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!カナダでW杯!)

 こんにちは、ネーさです。
 そうですね、CL決勝の後には女子サッカーW杯も開幕♪
 ならば、本日の読書タイムも
 女性が主役の小説作品を御紹介いたしましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



             ―― 太宰治の辞書 ――



 著者は北村薫(きたむら・かおる)さん、2015年3月に発行されました。
 ああ、高野文子さんによる表紙画が麗しい!
 長いこと、この御本を待っていた方々も多いんじゃないかしら?

「ねッきょうてきなァ、あいどくしゃさんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:待望の一冊!)

 主人公にして語り手である《私》が最初に登場したのは、
 著者・北村さんのデビュー作品『空飛ぶ馬』。
 そのとき、《私》は大学生さんでしたけれど、
 この御本でシリーズの愛読者さんたちを

「ひえええェッ!」
「がるるるぅ!」(←訳:ホントにぃ!)

 と、驚かせちゃったのは、
 時を経て、
 《私》が一人前の編集者さんになり、
 結婚をして、
 中学生の息子さんもいる、
 と、彼女を巡る状況の激変ぶり、でしょうか。

「べつじんッ、みたいィでス!」
「ぐるぅ~…」(←訳:でもぉ~…)

 ええ、そう、《でも》なんです。

 時を経ても、《私》の中身は変わっていません。
 お仕事の上でも
 プライヴェートでも、
 本が欠かせない毎日。

 いま、《私》が手にしているのは
 芥川龍之介さんの『舞踏会』、
 三島由紀夫さんの全集、座談会の記録、
 ピエール・ロチさんの『日本印象記』、
 そして、太宰治さんの『女生徒』――

 これらの御本の中に、
 《私》はどのような“謎”、というか、
 或る“秘密”を見出すのですが……

「じけんッ、でスかッ??」
「がるるるるぐる?」(←訳:文学史上の事件?)

 収録されているのは、順に、
 『花火』
 『女生徒』
 『太宰治の辞書』
 の3編。

 『花火』と『女生徒』の2作品で素地を整え、
 そして、
 『太宰治の辞書』で一気に疾走!

「やくどうかんッ、ありまスゥ!」
「ぐるる!」(←訳:大跳躍!)

 パッと見は地味、のようでいて、
 少しずつ謎を読み解いてゆく愉悦、
 知識を突き詰めてゆく過程を疑似体験する歓びは、
 実になんとも華々しいものです。
 
 著者・北村さんの本領ここにあり!ですね。

「ほかのォだれにもォ~」
「がるぐるるがるるる!」(←訳:このお話は書けない!)

 たぶん、ミステリに属する?作品ですから、
 これ以上のお喋りは控えましょう。
 けれど、じっくり読めば読むほど唸らされるこの御本、
 全活字マニアさんにおすすめです!
 ぜひとも、
 慌てず騒がず、
 時間をかけて読破してくださいますよう~♪




 
 
コメント
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