テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 夜空の、ひかり ―

2015-06-15 21:32:50 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いざッ、おーくしょんッかいしィ!」
「がるる!ぐるるるがる?」(←訳:虎です!おいくら万円?)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、本日の読書タイムも梅雨空に負けず
 豪勢なフィクション作品で突っ走りましょう。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



           ―― 星読島に星は流れた ――



 著者は久住四季(くずみ・しき)さん、2015年3月に発行されました。
 文庫がメインのライトノベルの世界で活躍してきた著者・久住さんの、
 この御本は単行本デビュー作なのだそうですよ♪

「わほゥ! めでたやッ♪」
「ぐるるぐるるっ」(←訳:それでそれでっ)
「どんなァおはなしィでスかっ??」

 天文学マニアさんでなくても、
 隕石、というものの存在は知っていますよね。

 私たちに最も身近な、
 “宇宙からの訪問者”である隕石は、
 しかし、そんじょそこらに
 ころころ落ちて来るわけではありません。

 アメリカやロシアの宇宙研究機構は
 地球に落下してきそうなデブリ(宇宙ゴミ)を常にマークしていて、
 監視を怠っていないはずですけれど、
 それでも、今日ここに隕石が落ちてくる!と
 予言することは不可能らしい――

「がくしゃさんたちもォ~」
「がるるる!」(←訳:お手上げ!)

 けれど、もしも。

 数年に一度、
 隕石が定期的に落ちてくる場所がある、としたら、
 どうでしょう?

 しかもね、隕石って、とってもお高いんですって!

「えッ? たかいィのでスかァ?」
「ぐるるる?」(←訳:石ころが?)

 御本の文中には、こう書かれています。

  《最低でも1グラム当たり2ドルぐらい》

「……えッとォ~??」
「がるるぅ?」(←訳:2ドルぅ?)

 なぁんだ安いもんじゃん、と気を抜いてはいけません。

 コレクター間で取引される隕石は、
 それなりの大きさのものばかり。

 石ころ程度の大きさで数十ドル、
 ボーリング球ぐらいのものなら2~3万ドル。

 また、組成や由来によっても値段は変わってきます。
 火星に由来する隕石は1グラムあたり800ドル、
 月由来の隕石は1万ドルを超えることもあるのです。

「ひょえッ! おたかいィ!」
「ぐるぐる!」(←訳:驚きです!)

 定期的に隕石が落ちてくるというそこは、
 孤島。

 アメリカのボストン港沖合いに浮かぶ、
 セントグレース島です。

 個人が所有するこの島へ、
 物語の語り手である日系米国人の
 加藤盤(かとう・ばん)さんは招かれました。

 いえ、加藤さんを含めて7人の男女が
 孤島へと渡ります。

 隕石の落下に立ち会えるかもしれない、
 その隕石を、
 もしかしたら譲ってもらえるかもしれない、と
 それぞれに想い願う7人が……。

「それはァ、ひとはらんッ、ありますゥ!」
「がるるぅぐるるるる!」(←訳:タダじゃ済まないね!)

 ミステリアスな孤島。
 いわくありげな島の主。
 外部と途絶した状況での、事件。

 由緒正しい本格ミステリの“美味しいところ”、いえ、“旨み”を
 ふんだんに取り込んだ小気味よいエンタ作品は
 ミステリ好きさん&全活字マニアさんに
 ぜひのおすすめです。
 わくわくの読書タイムを、お楽しみあれ!
 
 
 
 

コメント
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