テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

足跡を、辿って、辿って…?

2015-06-05 21:47:17 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 べるりんへェ、しゅッぱァ~つゥ!」
「がるる!ぐるがるぐる!」(←訳:虎です!街はCL一色!)

 こんにちは、ネーさです。
 ユヴェントス、そしてバルサの選手さん&スタッフさんたちも
 決勝の地ベルリンへと出発しました。
 今頃は、ホテルに到着して、記者会見の準備をしてるところ、かな?
 運命の女神さまは、どちらのチムーに微笑みかけるのか……と、
 どうにもそわそわしちゃうこんな日の読書タイムは、
 思いっきりフィクショナルな、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  



              ―― 黄泉眠る森 ――



 著者は長崎尚志(ながさき・たかし)さん、2015年3月に発行されました。
 『醍醐真司の博覧推理ファイル』と副題が付されています。

「……ほひょッ? そのォおなまえェはァ~…?」
「ぐるるる?」(←訳:どこかで?)

 記憶にひっかかる著者さんのお名前……
 本棚へ目をやれば、
 ああ、分かりましたよ。

 浦沢直樹さんの漫画『MASTERキートン Reマスター』では
 ストーリーを担当している共著者さん、
 それが著者・長崎さんなのでした。

 以前、長崎さんは出版社で浦沢さんの担当編集者をしてらした、と
 聞いたことがありますが、
 なぁるほどねえ。

「ふァいッ? なるほどォ、とはァ?」
「がるるるぐる?」(←訳:どういうこと?)

 この小説で描かれているのは、出版界。
 それも、マンガ雑誌の編集者さんたちが主人公です。
 つまり、著者・長崎さんが最もよく知る世界……

 にしては、ずいぶんと不穏なのですが。

 ほぉら、ヒュルル~と吹いてくるのは――

「なまぬるいィ~かぜッ?」
「ぐるがるる?」(←訳:この気配は?)

 漫画雑誌《コミックホープ》の新人編集者・安田肇(やすだ・はじめ)さんは
 困惑し切っていました。

 安田さんが担当する漫画家・椋洸介(むく・こうすけ)さんが、
 失踪してしまった?
 奇妙なメールを送って寄越したきり、
 連絡がまったく取れません。
 家を訪ねてみると、そこは空っぽ……
 引っ越したらしく、転居先も不明、って。

「それはッ、いわゆるゥ!」
「がるる!」(←訳:夜逃げ!)

 でもない様子なので、解せないのです。

 借金をしていたわけではないし、
 お仕事は順調だったみたいだし、
 先日会ったときも別に変わりはなくて。
 いったい、何がどうしちゃったのか?

 椋さんの消息を求めて、
 安田さんが接触したのは
 醍醐真司(だいご・しんじ)さんという、
 もと編集者さん。

 現在は会社を辞めてフリーになっている醍醐さんは、
 椋さんの担当編集者だったといいますから、
 彼に訊けば何か分かるかも、と期待して。

 けれど、この醍醐さんていう御方が……

「くせものォ、なのでス!」
「ぐぅっるがる?」(←訳:ちょっと変人?)

 クセのある、かつ切れ者とおぼしき醍醐さんに
 突つかれるようにして、
 安田さんは椋さんの捜索に本腰を入れます。
 なぜ、気鋭のホラー漫画家はなぜ姿を消してしまったのか――

「えええェッ? ほらーッ???」
「がるぐるるがるぐるる!」(←訳:怖い予感が怖い確信に!)

 変人編集者さんのお手並みやいかに?

 4話から成る連作ミステリは
 コミック好きな活字マニアさんにおすすめですよ。
 シリーズ第一作『闇の伴走者』も、ぜひ♪
 
 
 
 
コメント
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