テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ぽん!と、響くのは。

2015-06-25 21:46:51 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 どろろんッ♪」
「がるる!ぐるるるっ!」(←訳:虎です!ほわわんっ!)

 こんにちは、ネーさです。
 もうもうと立ちこめる白煙の中から、
 ひゅるりんっ!と姿を現わすのはニンジャ……じゃなくて、
 もこもこふわふわの毛玉たち♪
 本日の毛玉タイム、いえ、読書タイムは、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~!

  



           ―― 有頂天家族 二代目の帰朝 ――



 著者は森見登美彦(もりみ・とみひこ)さん、2015年2月に発行されました。
 ええ、はい、現れ出でた毛玉と申しまするのは、
 《有頂天家族》シリーズの主人公たち、
 下鴨家の4兄弟!
 つまり、狸さんたち。

「まッてたでスよゥ~!」
「ぐるがるるる!」(←訳:実に久しぶり!)

 世に隠れなき、
 ていうか、あまり隠れる気もなさそうな、
 京の都に住まう狸さんたち。
 そして、なぜか狸たちをアゴでコキ使う天狗さんたち。

 日夜を問わず、
 洛中洛外を問わず、
 何事か騒動が起これば、
 それは狸か、はたまた天狗の仕業か――

「みんなァ、わるふざけェ、だァ~いすきィ!」
「がるるぐるぐる!」(←訳:いつもドタバタ!)

 なれど、いまのところは
 (ほぼ)平穏な日々が続いております。

 何故って、
 弁天(べんてん)様が京にいないのです。

 “最強の天狗”と自他ともに認ずるあの美しい御方が
 ただいま豪華客船で世界漫遊の旅に出ているのでは、
 神通力をすっかり失ってしまった天狗の
 如意ヶ岳薬師坊(にょいがたけ・やくしぼう)さん、
 物語の語り手である、
 下鴨(しもがも)家の矢三郎(やさぶろう)狸さんも
 なんとなく、張り合いがないような、
 のほほんとした暮らしにひたり、
 矢三郎さんに至っては、
 弟の矢四郎(やしろう)くんとともに、
 ツチノコ探しに
 うつつを抜かしておりました。

「わはァ♪ つちのこォ~!!」
「ぐるるがるるる?」(←訳:いるのツチノコ?)

 ツチノコはまだ見つかっていませんけれど、
 矢三郎・矢四郎兄弟は
 奇妙な現象に遭遇いたします。
 それは……

   空から椅子が降ってきた!

「ふァ? いすゥ??」
「がっるるる??」(←訳:降ってきた??)

 狸たちの間で《天狗つぶて》と呼ばれるそれは、
 自然現象ではありません。
 《つぶて》を降らせるのは、
 もちろん――

「てんぐさんッ、でスねッ!」
「ぐるがるーる!」(←訳:天狗パワーだ!)

 降ってきたのは、単なるつぶてか、
 それとも巨大な災難か。

 ツチノコ探しを中断した矢三郎くんたちの身に、
 狸界に、次は何が降りかかるのか――

「はらはらァするけどォ~」
「がるぐるるる!」(←訳:目が離せない!)

 もっともっとお喋りしたいところですが、
 これ以上のネタバラしは厳禁です。
 
 壮麗な、明治の文豪さん調の語りに乗って、
 とにかく愉しんでしまいましょう、
 健気なムクムク毛玉さんたちの大冒険!
 アニメ作品で《有頂天家族》を知った、という御方も、
 ぜひ、こちらの小説作品を一読してくださいね♪ 
 
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする