テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

“君知るや南の国”へ。

2015-06-12 21:33:35 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こぱあめりかァ、はじまりましたでス!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!開催国はチリ!)

 こんにちは、ネーさです。
 メッシさんやネイマールさんたちトップスターズが
 母国のために戦うコパ・アメリカ。
 優勝候補はブラジル?アルゼンチン?もしやコロンビア?
 遠くここ日本から見守りつつ、
 読書タイムも忘れずに、さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



             ―― イタリア建築紀行 ――



 著者は渡辺真弓(わたなべ・まゆみ)さん、2015年3月に発行されました。
 『ゲーテと旅する7つの都市』と日本語副題が、
 『con Goethe,ma non troppo』と伊語題名が付されています。

「げーてさんッ、というとォ~…」
「ぐるがーるるる?」(←訳:あのゲーテさん?)

 はい、あのゲーテさんです。 
 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテさん(1749~1832)、
 『若きウェルテルの悩み』『ファウスト』他の作品で
 現代でも“文豪”とされる、あの御方です。

 ゲーテさんはまた、
 ヴァイマール公国の大臣さんでもありました。

「ほほゥ! せいじかさんッ!」
「がるぐるるがるる!」(←訳:大臣なんてすごい!)

 すごい!んですが、
 はたして、ゲーテさん本人はどう感じていたのか――

 頑張ってお仕事をしても目に見える成果はなくて、
 外交政策の助言をしても無視されたり、
 農地の改良も進まない。

    ……あ~あ、なんだか疲れちゃった。
    もう宮廷に行くの、やだ。

「ふァ? あッ、あのゥ??」
「ぐるるるがっるる!」(←訳:おじさんしっかり!)

 1785年、ゲーテさん37歳の夏。

 いざ、出奔!
 ていうか、ほとんど家出!

「えええェ~ッ??」
「がるぅ??」(←訳:家出ぇ??)

 行政職を辞し、保養地カールスバートに滞在していたゲーテさんは
 ヴァイマール公国のカール・アウグスト公と知人に手紙を残し、
 偽名を使って郵便馬車に乗り込みます。

 行く先は、南!
 ずっとずっと憧れていたイタリアへの旅に
 よぉし、出発だ~♪♪

「おしごとをォ、ほうりだしてッ??」
「ぐるるるる!?!」(←訳:イタリアへ!?!)

 これが、のちに『イタリア紀行』として御本になる旅の、始まり始まり。

 そして、
 21世紀の現代、著者・渡辺さんは
 ゲーテさんの旅程をもとに、
 イタリアの7つの都市を巡ります。

 ヴィチェンツァ、パドヴァ、ヴェネツィア、
 アッシージ、ローマ、ナポリ、パレルモ。

 幸いなことに、
 世界遺産だらけの国・イタリアには、
 200年以上も昔にゲーテさんが訪ねた建物、庭園、街並みが、
 ほぼそっくり残っています。

「にほんじんにィとッてはァ~」
「がるるる!」(←訳:羨ましい!)

 実を申しますと、私ネーさ、
 少々怖気づいておりました。
 なんだか難しそうな御本だなぁ、と。

 ですが!
 思いの外に楽しく読めたのです!

 ゲーテさん、《再生》の旅。
 見るもの、聞くもの、味わうもの、
 すべてが彼の細胞に生気を注ぎ込む。
 この旅がなければ、
 『ファウスト』も『ヴィルヘルム・マイスタージンガー』も
 数々の詩集も、生まれることはなかった――

「けッかァ、よければッ」
「ぐるがる!」(←訳:旅もよし!)

 終章『旅の余韻』で描かれる、
 旅のあとのゲーテさんの日々が、
 読み手のこころをさらにギュッとつかみます。

 家族三代、
 ゲーテさんのお父さんが、
 ゲーテさんが、
 そしてゲーテさんの息子さんが、
 イタリア旅行で得たものは……?

「きみしるやァ、みなみのくにィ♪」
「がるるるるぐるるがるる♪」(←訳:レモンの花咲くところ♪)

 皆さまもぜひ、旅の伴走を。



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