テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ こころで、味わう ~

2016-11-25 22:04:29 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふゥッ! ゆきかきィしたらァ、ぺこぺこッ!」
「がるる!ぐるるがるぐるるる!」(←訳:虎です!ボクもお腹ペコペコ!)

 こんにちは、ネーさです。
 昨日降った雪はほぼ溶けてしまい、
 雪掻きの必要はありませんでしたが、
 暖房器具のメンテナンスなどしていたら、
 ええ、確かにお腹が空きましたね。
 今日のおやつは、夕食は何にしよう?
 と考えながらの読書タイムは、
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



        ―― 作家の口福 おかわり ――



 著者は収録順に(行きますよ、せーの!)、
 朝井リョウさん、上橋菜穂子さん、冲方丁さん、川上弘美さん、
 北村薫さん、桐野夏生さん、辻村深月さん、中村航さん、
 葉室麟さん、平野啓一郎さん、平松洋子さん、穂村弘さん、
 堀江敏幸さん、万城目学さん、湊かなえさん、本谷有希子さん、
 森見登美彦さん、柚木麻子さん、吉本ばななさん、和田竜さん、
 2016年9月に発行されました。

「ふァおッ! にんきさッかさんッ、ずらァ~りィ!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:20人分の口福!)

 朝日新聞の土曜別刷り『be』の掲載コラム
 『作家の口福』(2011年1月~2016年3月掲載分)をもとに
 一冊の書籍に編み上げられた
 それぞれの《口福》。

 《口福》というからには――

「おいしィ~もののォ、おはなしィ!」
「がるる!」(←訳:だよね!)

 それがね、そうでもなくて。

 人間、なぜか、“記憶に残る味”に関しては、
 必ずとも美味ばかりではない、ようです。

 本文17ページ、
 収録順ではトップバッターである朝井リョウさんの、
 心の叫びは

 《一口食べて、私は思った。まずい》。

 それは、カナダのカルガリー、
 ホムステイ先の朝食の席での、少年時代の思い出です。

「ふァ~…、まずいィ??」
「ぐっるるがる?」(←訳:いったい何が?)

 朝井さんをガッカリさせた、或る食品。

 ここではヒミツにしておきますが、
 おそらくこの食品、皆さま一度は耳にしたことが、
 そして食べたことがある……かもしれない食品で、
 なるほど、好き嫌いが分かれる味だよなぁと
 納得できる《味》なのですね。

「それはァ、たぶんッ!」
「がるぐるるる!」(←訳:よくあること!)

 そう、《味》には好みがある。
 好きか、嫌いか、
 苦手や、慣れ。

 そういったものがあるのだと、
 覚悟してからページを捲ると、
 えっ? それ大丈夫なの?な食品も、
 美食家さんたちの保証付きの逸品も、
 とりたてて珍しくなさそうな定食も、
 いっそう《御馳走》に見えてきます。

 例えば、
 万城目学さんが絶賛する〇〇〇〇のミルクティー。

「わうゥ? それはァ、めずらしィ??」
「ぐるるぅがるるるる?」(←訳:日本じゃ飲めないよ?)

 例えば、
 柚木麻子さんが回転寿司で挑む
 〇〇の載ったお皿。

「えェとォ、それはァ~…」
「がるるぐるる?」(←訳:食べていいの?)

 おっと、いけません。
 極端な例ばかり紹介してしまいましたが、
 正統派の《口福》もありますよ。

 〇〇〇〇のミルクティーだけではなく、
 或る食べ物に、いえ、
 或るお店のオーナーさんの優しい心遣いに涙します。
 それは何年経とうと忘れられない、
 《幸福》の味……。

「きもちがァこもッてるとォ」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:美味しさも百万倍!)

 思い出の味。
 喜怒哀楽の味。
 ん?こんなだっけ?の味。

 ひとを形づくる食べものの、
 こころの滋養になる一皿の味わい。

 食いしん坊な活字マニアさんも、
 いまダイエット中なんだけど!な活字マニアさんも、
 ぜひ、一読を。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする