テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

甘くて、ほろにが?

2016-11-18 22:05:03 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでッス!
 こうようゥ、きれいィ~でス!」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!柿も美味しい!)

 こんにちは、ネーさです。
 紅葉に柿……両方とも秋ならではの風物ですが、
 ならば、これからご紹介いたしますこの御本も、
 晩秋の風物のひとつと言っていいかもしれませんね。
 本日の読書タイムは、
 さあ、こちらのアンソロジー作品を、どうぞ~♪
 
  



      ―― X'mas Stories クリスマス・ストーリーズ ――



 著者は収録順に、朝井リョウさん、あさのあつこ さん、伊坂幸太郎さん、
 恩田陸さん、白川三兎さん、三浦しをん さん、2016年11月に発行されました。
 『一年でいちばん奇跡が起きる日』と副題が付されています。

「あはァ! つまりィ~!」
「ぐーるるがるるるる!」(←訳:テーマはクリスマス!)

 御本の表紙からしてクリスマスツリーですものね、
 あらためての解説も不要でしょう、
 この御本は、クリスマスをテーマにした
 “クリスマス・アンソロジー”!

 とはいえ、
 活字マニアの皆さまは、
 著者名を目にした時点で、
 ピーンと来ているのじゃないかしら?

「ぴィーんッ??」
「がるぐーる?」(←訳:何がピーン?)

 甘い、いえ、
 大甘に甘~い超々ロマンチックな聖夜限定恋バナを、
 あの伊坂幸太郎さんが書くのだろうか……

 仙台の冬の夜に、
 ピンクのハートが舞っちゃったりするんだろうか……

「ううゥ~むッ、それはァ~…」
「ぐるるるる~?」(←訳:無さそうな~?)

 そうです、ちょっと無さそうです。

 伊坂幸太郎さんの作品、
 『一人では無理がある』は、

 或る“組織”のものがたり。

「そッ、そしきッ!」
「がるぐる??」(←訳:悪の組織??)

 その“組織”が希求しているのは、
 地球征服なんぞではなく、
 企業としての利潤でもありません。
 
 じゃあ、彼らは何をしているのかというと……

 とんでもないことをしてるんです!

「むッ!これはァ、たしかにィ!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:トンでもないねえ!)

 《その一日》のために、
 捧げられる数多の願いと、
 願いのために奔走する幾百幾千の無名の人びと。

 作品を読み終えた後、
 心ある活字マニアさんは思うことでしょう。

 私も/ボクも、
 この“組織”に入りたい!!

「ふァッ! テディちゃもっ!」
「がるぐっる!」(←訳:ボクだって!)

 読み手を夢中にさせる、その“組織”とは?

 ↑こんな説明ではなんのこっちゃ分からんわ、
 ネーさはアホちゃうか、と
 お叱りをいただいてしまいそうですが、
 あまりにもステキなこの作品、
 ネタばらしするわけには参りません。

 どうか、皆さま、
 御本を手に取り、
 著者・伊坂さんのクレイジーでラブリーな、
 コペルニクス的にファンタスティックな《発明》を
 自分の眼で、ハートで、
 ずしんと体感なさってください。

「ぞくへんッ、よみたいィのでスゥ!」
「ぐるーるるがるぐるる!」(←訳:シリーズ化してほしい!)

 もちろんのこと、
 朝井リョウさん、あさのあつこさん、
 恩田陸さん、白河三兎さんの作品も素晴らしく、
 トリをつとめる三浦しをんさん作『荒野の果てに』では
 涙腺の崩壊を堪えきれません。

 たった一日、
 他の日とは違う昼と夜、
 その日を、どう過ごすか。
 どう迎え、どう見送るか。

「あまくゥないィでスゥ!」
「がるぐるる……!」(←訳:時にはつらい……!)

 激おすすめのクリスマス・ストーリーズ、
 ぜひ、一読を♪

 
 
コメント
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