テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 衝撃/笑撃の《百物語》 ~

2016-11-13 22:08:29 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しちごさんッ、かわいいィ~でスゥ♪」
「がるる!ぐるる……がるっ?」(←訳:虎です!着物が……あれっ?)

 こんにちは、ネーさです。
 七五三のお参りを終えたばかりの
 着物姿の可愛らしいチビっ子ちゃんたち、
 しかし、その足元は……草履じゃなくてスニーカー!
 いやあ♪なんか元気でイイ感じだったわぁ~♪♪
 チビちゃんたちの未来に幸されと祈りつつ、
 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~!
 
  



         ―― 虚実妖怪百物語 序 ――



 著者は京極夏彦(きょうごく・なつひこ)さん、2016年10月に発行されました。
 『虚実』は『うそまこと』とお読みくださいね。

「うそまことッ?」
「ぐるがるる?」(←訳:妖怪百物語?)

 妖怪モノ。
 まさに、古今の妖怪について語らせたら右に出る者はいない、
 著者・京極さんの得意とする分野の御本であるかのように
 思われますけれど――

 冒頭の『序』で
 あららっ?と思う活字マニアさんは、
 大勢おられるはずですよ。

「さばくにィ、とつぜんッ、あらわれたのはァ~…」
「がるっ!!」(←訳:怪人っ!!)

 シリアの砂漠に忽然と現れ出た、
 旧日本兵――陸軍将校姿の
 謎の人物。

 雑誌『怪』編集部で働く榎木津平太郎(えのきづ・へいたろう)さんは、
 怪人の噂を聞いて
 いやな予感に襲われます。

 階級は不明だけれど、
 マントに長靴(ちょうか)、
 アジア人の顔立ち、
 白手袋の甲には、

 五芒星(ごぼうせい)、だって?

「むむッ! それはァ~あのッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:伝説の怪人物!)

 平太郎さんの脳裏に浮かぶのは、
 荒俣宏さん著『帝都物語』。

 疑念を抱える平太郎さんをいっそう驚かせたのは、、
 かの水木しげる大先生の一声でした。

   ニッポンから、
   お化けが消えてる!減ってる!

「ええッ? おばけがッ?」
「がるるぅ??」(←訳:本当にぃ??)

 その一方で。

 平太郎さんの友人知人さんの周辺に
 次々と怪異が出現してゆきます。

 昔々の伝承に記されたことが目撃されたり、
 妖怪に付きまとわれたり?

 いったい、これってどういう事態なのか――

「かッ、かんがえるのがァ~…」
「ぐるがるるぅ!」(←訳:怖いですよぅ!)

 怖~い話。

 なのに、なぜか京極さんの手にかかると
 それを追いかける妖怪マニアさんたちの言動は、
 笑い話のようになってしまいます。

 落語に出てくる長屋の住人たちのトンチな会話が
 ある部分では恐怖を和らげ、
 ある部分では恐怖を倍加させ、
 ずいずいずずいっと走ってゆく――

 物語はこの後、
 次巻の《破》、
 次々巻の《急》へと続きます。

「かッ、かいじんはッ??」
「がるるるるっ?」(←訳:どうなるのっ?)

 近日中に《破》巻を御紹介いたしますので、
 それまでに、ぜひ一読くださいね、
 現代の奇妙な《百物語》を!

 
コメント
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