テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

新たな驚き、プラスしました♪

2016-11-15 22:00:42 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 めざそうゥ、ろしあァわーるどかッぷゥ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!予選突破のために!)

 こんにちは、ネーさです。
 サッカ-W杯ロシア大会出場を賭け、
 世界各国で代表戦が行われていますが、
 はたして日本の、そして大ピンチのアルゼンチンの行く末は?
 ハラハラしっぱなしの日々はまだ当分続きそうですが、
 読書タイムは、楽しく&リラックスで!
 さあ、本日は、こちらの小説作品を、どうぞ~♪

  



        ―― 戦国24時 さいごの刻 ――



 著者は木下昌輝(いにした・まさき)さん、2016年9月に発行されました。
 『刻』には『とき』とルビがふられています。
 そう、この御本に収められている6編の作品で描かれているのは、
 題名の通り、戦国時代に生を享けた者それぞれの
 《最期の刻(さいごのとき)》――

「ふむむゥ? でもォ、ゆうめいなァ~ぶしょうさんッならばァ~」
「ぐるるがるぐるるるるるる!」(←訳:最期はよく知られています!)

 そうなのよね、
 戦国時代の武将さんって、
 その最期はどうなったのか、
 けっこう記録に残っていますからね、
 私たち読み手は御本をひもとく前にして既に
 よく知っています。

 桶狭間の勝敗は、織田家と今川家、どちらであったか。

 豊臣家がどうなったか。

 最終的に《天下》を獲ったのは、誰であったか。

「ふァいッ! わかッてまスゥ!」
「がるるるるぐるる!」(←訳:言うまでもないよ!)

 皆が結末を知っている。
 にもかかわらず、
 そこに新たなドラマを浮かび上がらせる。

 それは、推理小説的のジャンルでは
 いわゆる《倒叙法》――
 犯人や方法が最初から明示されている形式の
 ミステリ作品と似ていなくもありません。
 すなわち。

 読み手は、
 《結果》ではなく、
 《経過》を、
 思いっ切り愉しむべし!

「ということはァ~」
「ぐるがるる?」(←訳:過程重視で?)

 お拾い様と呼ばれた、豊臣秀頼さん。

 東北の地の《虎》、伊達家。

 信長公が天下布武を掲げる契機となった桶狭間。

 武田家の参謀、山本勘助さん。

 足利家の第十三代将軍・義輝さん。
 
 そして、徳川家康さん。

 乱世に終止符が打たれたとき、
 彼らがどうなったのか、
 あらためて説明するまでもなく、
 すべて教科書に書いてあるはず。

 なのですけれども。

「もッ?」
「がるるる?」(←訳:けれども?)

 事実を動かすことなく、
 それでいてなお、
 読み手を飽きさせない物語を
 著者・木下さんは織り上げました。

 いままさに炎上する大阪城で、お拾い様は。

 敵の軍勢が近付く中で、今川家の大将は。

 何を見、何を思うのか――

「てんかとりのォ、ゆめッ?」
「ぐるるがるる?」(←訳:破竹の大勝利?)

 6編の作品のうち、
 幾つかはミステリの傾向が強いものなので、
 これ以上は詳しく御紹介できないのですが、

「ねたばれッ、だめでスッ!」
「がるぐる!」(←訳:秘密だよ!)

 歴史好きさんなら、
 ミステリ好きさんなら、
 きっと拍手したくなるエンタな快作・力作です。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 

 
コメント
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