テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

百物語の、底の底。

2016-11-27 22:10:47 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ゆけッ、よんかいてんッ!」
「がるる!ぐっるるがーる!」(←訳:虎です!ルッツにループ!)

 こんにちは、ネーさです。
 海外サッカー好きな私ネーさですが、
 フィギュアスケートもけっこう好きです♪
 今日もNHK杯での羽生選手の跳びっぷりに拍手し、
 プリンスさんの曲もいいなぁ~とまた拍手いたしました。
 そんな大満足の心地のまま、
 さあ、本日の読書タイムは……こちらの御本を、どうぞ~!
 
  



        ―― 虚実妖怪百物語 急 ――



 著者は京極夏彦(きょうごく・なつひこ)さん、2016年11月に発行されました。
 一挙に刊行された《虚実(うそまこと)妖怪百物語》の、
 『序』『破』と来まして、
 ここでついに『急』!
 現代妖怪百物語の完結編になるわけですけれども――

「だいィこんらんッ、つづいてまスゥ!」
「ぐるがるるっるるるー?」(←訳:何がどうなってるのー??)

 『序』巻頭で砂漠に現れ、
 『破』巻頭では富士山麓の樹海に現れた
 魔人・加藤。

 この『急』巻頭でも、
 樹海で妖しの術を行っているようです。
 日本国を、完膚なきまでに打ちのめすべく――

「それはァ、いやでスゥ~!」
「がるるぐるるるるるぅ!」(←訳:平和に暮らしたいよぅ!)

 なれど、世は既にして
 湧きいずる妖怪たちの妖害によって
 麻のごとく乱れ、
 魔人・加藤が操る傀儡政権の支配下にあります。

 さらに、なんと、
 私たち活字マニアにはなじみ深い
 漫画家さん作家さんクリエイターさんたちは
 国家転覆を企てる不逞の輩であるとして
 指名手配犯!になっちゃっているのです。

「……てはいィされてるゥ、ッてことはァ~」
「ぐるがるっるぐるるるる!」(←訳:まだ捕まっていないんだ!)

 幸か不幸か、
 さては如何なる因縁皮肉か、
 富士山麓の樹海から遠からぬ別荘地に。

 指名手配された妖怪漫画家、妖怪作家、妖怪画家、
 妖怪映画監督、妖怪アニメーター、妖怪学者などなど
 傀儡政権が危険視する妖怪関係者さんたちは、
 ごっそりと、
 いえ、ひっそりと集結し、
 機を窺っておりました。

   魔人・加藤に乗っ取られた政権をぶっ倒す!

 とは行かぬだろうとしても、
 ミソッカス扱いされたまんまじゃ
 癪に障るじゃありませんか。

「でスねッ!」
「がっるるるる!」(←訳:黙ってないぞ!)

 しかし。

 暴力には暴力を、ではなく。

 権力には権力を、でもなく。

 別の方法でこの国を恢復させなくては。

「せんそうゥ、いけませんッ!」
「ぐるがるるるる!」(←訳:断固戦争回避で!)

 何であっても戦争はいかん――

 という水木しげる大先生の訓えに則り、
 妖怪関係者さんたちは、
 さあ、魔人・加藤とどう戦うのか?

「ちえとォ、ゆうきィでッ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:やる気と機転で!)

 『急』に至っていっそうスパークするボケとツッコミ、
 そんな《笑》の裏側には
 《妖》をもおおらかに受容する
 平和への想いが強く流れています。

 怪談、ファンタジー、SF、昔話――
 《怪》好きな活字マニアさんには
 この秋いちばんのおすすめ、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 
 
  
コメント
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