テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

トラか?ネコか?

2017-09-01 22:00:47 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 わーるどかッぷゥへェ、とつげきィ~でス!」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!切符獲得~!)

 こんにちは、ネーさです。
 めでたくも日本代表はロシアW杯予選を勝ち抜けましたが、
 欧州各国の予選は大変なんです。
 9月2日はスペインとイタリアが激突!
 勝者はどちらだ?とハラハラしながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアートブックを、どうぞ~♪
 
  



     ―― かわいい こわい おもしろい 長沢芦雪 ――



 著者は岡田秀之(おかだ・ひでゆき)さん、2017年7月に発行されました。
 題名にあります『長沢芦雪(ながさわ・ろせつ)』は、
 『長澤芦雪』と表記されることもありますが、
 日本美術好きな方々は既に御存知ですね、
 江戸中期、京都を中心に活躍した画家さんです♪

「えッとォ~、これはァ……にゃんこォ??」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:違うよトラだよ!)

 そうね、そうなのよね、
 御本の表紙になっているのは
 《水呑虎図》(天明6年/1786年以前に制作?)。

 個人の所蔵品となっているため
 ほとんど公開されていない“虎”なんですけど、
 これと似ていなくもない“虎”ちゃんがいます。

 和歌山の南部、
 串本無量寺のために描かれた、
 芦雪さんの代表作として名高い
 《虎図・龍図襖》(天明6年制作)の《虎図》は、

 顔だけ見れば虎……
 いや、ヒゲが猫っぽい……
 爪は虎だよね……
 全体のバランスはトラ縞ネコだわ……

 と、以前からウワサになっているんです。

 はたして芦雪さんは、
 ネコをモデルにしてトラを描いたのか?
 それとも、
 わざとトラと見間違えるようなネコを描いたのか?

「むむゥ~んッ!」
「がっるるぐるるるる!」(←訳:どっちも有り得そう!)

 かようにユーモアあふれる画を描いた芦雪さんですから、
 現代でいうなら
 “キャラ系”の可愛い画と申しますか、
 グッズ化したなら大好評を博すこと確実の
 仔犬ちゃんたち、
 ネズミくん、
 スズメちゃんも
 しっかり画題にしております。

 芦雪さんのお師匠さんの
 丸山応挙さん(1733~1795)も
 仔犬ちゃんの画を得意とされていましたが、
 芦雪さんのワンコたちはもっとモフモフしていて、
 手触り良さそうなのよね。

「うさぎもォ、かいてまスゥ!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:お猿さんやオウムも!)
「がまがえるゥもッ!」

 そしてもちろん、
 ニャンコ&ワンコだけではありません、
 日本画に於ける大テーマ《富士山》、
 中国の故事に題をとった神仙さんたち、
 禅画も描いておりますけれど。

 芦雪さんの生涯、
 画業の全貌は、まだまだ、謎に包まれています。

 芦雪さんの宝暦4年(1754年)に生まれ、
 寛政11年(1799年)に没しました。

 45年という短い生涯……
 その最後はどういうものだったのか、
 いまも判然としていません。

「ふしぎなァ、おかたでスゥ!」
「がるるるるる!」(←訳:ミステリアス!)

 伊藤若冲さんが大ブレイクした余波で、
 江戸期の画家さんたちに
 あらためて視線が注がれている中、
 若冲さん大好きなアート好きさんは
 芦雪さんにも注目してみてくださいな。

 この御本はそんな“芦雪さん入門”に
 ぴったりの一冊です。

 トラなのかネコなのか、
 正体不明なかわいいトラネコ?ちゃんを、
 ぜひぜひ、御覧あれ
 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする