テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ネアンデルタールの夕暮れ ~

2017-09-10 21:55:37 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 げきそうゥしましたでス!」
「がるる!ぐるがるー!」(←訳:虎です!魂の走りー!)

 こんにちは、ネーさです。
 ブエルタ・ア・エスパーニャ2017は第20ステージを消化、
 総合優勝者もほぼ確定、
 ちょうど今はマドリードでの最終ステージが行われている頃……
 選手さんたちのゴール風景を想像しながら、
 さあ、今日も読書タイムですよ♪
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~
 
  



         ―― 歴史はバーで作られる ――



 著者は鯨統一郎(くじら・とういちろう)さん、2017年7月に発行されました。
 『History is made at the bar』と英語題名が付されています。

「むふふゥ! でましたでスねッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:例のスタイル!)

 ええ、そうね、
 著者・鯨さんが得意とする、
 《バーでお酒を飲みながら》の
 安楽椅子探偵ミステリ、
 しかもテーマは歴史!という形式の新シリーズが、
 こちらの御本なんですよ。

 舞台となるのは、
 カウンター7席に、テーブル席も2つだけの小さなバー、
 《シベール》。

 登場人物も、
 女性バーテンダーのミサキさん、
 常連客の村木春造(むらき・しゅんぞう)さん、
 そして、
 新進歴史学者の喜多川武(きたがわ・たけし)さん、
 喜多川さんの弟子である語り手の僕=安田学(やすだ・まなぶ)さん。

 と、4人だけです。

「たッたのォ、よにんッ?」
「がるるるるる!」(←訳:コンパクトだ!)

 或る日曜日、喜多川先生に呼び出された僕=安田くんは、
 先生の祝杯に付き合うことになりました。

 学会誌に掲載された論文の評判が上々で気分も上々な先生と、
 世間知らずな安田くん、
 なんとなく目に入った電飾看板に釣られ、
 《シベール》の扉をくぐります。

「♪のんびりィ~♪おさけをォ~♪」
「ぐるるるる^♪」(←訳:飲みたくて~♪)

 そうよねえ、のんびり祝杯の予定だったんですけどねえ。

 気付けば、なぜか、歴史問答の只中に?

「それッてェもうゥ~」
「がるぐるぅ!」(←訳:運命でしょ!)

 バーテンダーのミサキさんに乗せられたのか、
 喜多川先生と村木さんとミサキさん、
 ひとつのテーマを巡り、
 ああだこうだと話し合う事態になりました。
 すなわち。

   ネアンデルタール人は、
   クロマニヨン人に滅ぼされたのか?

「えんだいィなァ、てーまでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:最先端だよね!)

 ネアンデルタール人がなぜ滅んだのか、
 大いに注目されながら
 現在も研究が続けられているその理由を、
 酒杯を傾けつつ突き詰めてゆけば……

 このお話の題名が
 『ネアンデルタールに花束を』
 であることに、
 深く頷いてしまうんです。

「うむゥ、なるほどォ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:深読みしないと!)

 その次のお話が
 『九町は遠すぎる――八百屋お七異聞』、
 さらに
 『マヤ……恐ろしい文明!』、
 『誰がために銅鐸は鳴る』、
 『論理の八艘飛び――源義経異聞』
 と、ミステリ好き&パロディ好きな方々の
 好奇心が疼く連作短編5作品が収録されています。

「ついついィ、にやりィ!」
「ぐるぐるっ♪」(←訳:くすくすっ♪)

 重たくなりすぎない、
 けれど、さりげなく考えさせられる歴史ミステリ譚を、
 秋の夜の読書タイムに、
 皆さま、ぜひ♪


 
コメント
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