テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

出逢いがオシャレじゃなくたって。

2018-04-03 20:49:25 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うんッ? いまッてェ~、ごがつゥ?」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!6月かも!)

 こんにちは、ネーさです。
 暑さのあまりアイスクリームをぱくぱくと平らげつつ、
 一日目は京都ガイド、
 二日目はエッセイ作品、と進んできた新年度の読書タイム、
 三日目の今日にしてようやく、
 ↓こちらの小説作品を、さあ、どうぞ~♪

  



            ―― アナログ ――



 著者はビートたけしさん、2017年9月に発行されました。
 活字マニアの皆さまには今さら説明の必要もない、
 ビートたけしさん(=北野武さん)による恋愛小説として
 大きな反響を呼んだ御本ですね。
 
「れんあいィしょうせつゥ??」
「ぐるるるがぅるる?」(←訳:任侠モノじゃなく?)

 映画監督・北野武さんの作品の傾向が
 バイオレンス物に偏っている印象が強いせいか、
 小説家・ビートたけしさんにも
 私たちは勝手に期待してしまいます。

 たけしさんが本気で書く小説なら、
 北欧ミステリのような警察小説や、
 R・チャンドラーさんのようなハードボイルド、
 エンタなギャング小説だよね!と。

「でもォ、あえてッ!」
「がるるぐるー!」(←訳:期待をスルー!)

 寄せられる期待を、
 たけしさんが薄々察していなかったはずはありません。
 いえ、おそらくは重々承知していたに違いなく。

 それでいて、たけしさんが選んだのは。

「ぼうりょくゥ、なしィ!」
「ぐるがる!」(←訳:純情あり!)

 主人公の水島悟(みずしま・さとる)さんは
 インテリアデザイン会社に勤務するデザイナーさんです。
 
 独身、30代、仕事もデキる、と来れば、
 悟さんのPCやスマホには
 ガールフレンドの連絡先がずら~り……?

「あれれッ??」
「がるるぐぅるる??」(←訳:ずらりじゃない??)

 悟さん、SNSに興味なし。

 あ、お仕事の関係のメールにはきちんと応対できますし、
 自分からデータを送信したりも出来るんですけど。

 ネットが私生活の細部にまで侵入してくるのは、
 どうも好きになれない。

「ふむむゥ、だからァでスねッ!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:出逢いは喫茶店で!)

 オシャレなカフェ、じゃないところが
 悟さんの悟さんらしさでしょうか。

 けれど、悟さんはこの出逢いに満足しているのです。

 喫茶店『ピアノ』で会った、
 みゆきさん。

 連絡先を知らない――訊ねなかった。

 住所も知らない――訊くなんて思いもつかなかった。

 職業も、生まれた場所も、
 その他の何も知らなくても、
 彼女に対する想いは変わらない。

「がんばッてェ、さとるさんッ!」
「がるるぐるがるる!」(←訳:周りも絶賛応援中!)

 友人、いえ、悪友さんたちは、
 悟さんの純情な交際ぶりを笑いのネタにしながらも
 全力で応援してくれています。

 はたして、悟さんに一途な、
 アナログな恋の行方は……?

「みのるとォいいなァ~♪」
「ぐるるがるる~♪」(←訳:実るといいね~♪)

 あまり考え過ぎず。
 余分な情報に惑わされず、
 素直に、真っ直ぐに。

 そうすれば、著者さんの思い描いた物語が
 すとん、と心に入ってくるでしょうか。
 悟さんの眼に見えたものが
 私たちの目にも見えるでしょうか。

 春の読書タイムに、
 皆さま、ぜひ♪
 
 

 
 
コメント
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