テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 多面体メモワール ~

2020-08-06 22:33:44 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おッ? とんぼォ、はッけんッでスよゥ~!」
「がるる!ぐるるるるる!」(←訳:虎です!アカトンボだ!)

 こんにちは、ネーさです。
 広島からのTV中継と、
 のどかに飛び回るトンボくんを見比べては、
 平和のありがたさと尊さを痛感する朝でした……
 明日も穏やかな朝であれと祈りつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



     ―― 夢でもいいから ――



 著者は亀和田武(かめわだ・たかし)さん、
 2020年6月に発行されました。
 『小説宝石』2013年3月号~2020年1月号掲載の
 『夢でまた逢えたら』から厳選し、
 再編集・加筆修正したエッセイ集は、
 《硬派!》な仕上がりです。

 この御本で大きなテーマとなっているのは、

   もう一度会いたいひと、
   もう二度と会えないひと。
   
   TVや雑誌が熱気に満ちていた
   1980年代~90年代の出来ごと。

「まずゥ、まくあけはァ~…」
「ぐるるるる!」(←訳:尾崎豊さん!)

 『尾崎豊には一度だけ会っている』――
 と回想する亀和田さんの筆致は、
 優しく、冷静です。

 不思議な若者。
 気弱で繊細な表情と、
 ボロボロのダメージジーンズ。

「うむむゥ~…めにィうかびまスゥ!」
「がるるるぐるるがる……!」(←訳:消えない思い出だね……!)

 教育評論家の尾木直樹さんとの、
 TV番組でのやり取りをはじめ、
 いわゆる“ワイドショー“のエピソードも、
 次々と明かされます。

 若き三谷幸喜さんが発揮した
 抜群の構成力。

 ワイドショーでも報じられた
 オウム事件。

 そしてラジオからは、
 大瀧詠一さんの愉快そうに喋る声が。

「あはァ! おおたきィさんッ!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:ボクたちも大好きさ!)

 TV界の舞台裏話に限らず、
 亀和田さんの思い出は四方八方へ
 飛び跳ねます。

 仕事の場を、
 長く付き合っている局から、
 他局へ移した時に味わった
 何とも言えないほろ苦さ。

 1960年代の、SFファンの集まり。

 競馬の馬主さんや、
 世に知られざる落語家さんや、
 内田裕也さんや……。

「わだいィ、つきませんでス!」
「がっるぐるるるるるよ!」(←訳:もっと聞きたくなるよ!)
  
 編集者、作家、コラムニスト、キャスター、コメンテーター、
 競馬評論家、と多ジャンルで活躍する
 著者・亀和田さん。

 亀和田さんの眼がとらえた
 今も記憶から薄れない
 幾百もの《出会い》の糸の道筋の物語を、
 皆さま、ぜひ♪

 
 
コメント
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