テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 愛しき彼らと ~

2020-08-12 21:56:06 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 りゅうせいぐんッ、きてまスよゥ~!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!見えないけどね!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日8月12日がピーク!のはずの
 ペルセウス座流星群は……
 雲のおかげでまったく見えませんが、
 その代わりとばかり、虫たちが元気よく歌っています。
 もう少ししたら秋がやって来るのね~と実感しながら、
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  



     ―― 日本人と動物の歴史 ――



 著者は實吉達郎(さねよし・たつお)さん、
 2020年7月に発行されました。
 『日本人にとって動物とは何か』と日本語副題が付されています。

  《日本の歴史は常に動物とともにあった》

 と語るのは、
 動物研究家である著者・實吉さん。

 神話の時代から現代に至るまで、
 私たち日本人の日々の暮らしの中の、
 あっちにもこっちにも、
 動物たちが顔を出している――
 そう、例えば。

「いぬにィ、ねこッ!」
「ぐるがるぐるる!」(←訳:馬と鳥と蛇と龍!)
「たぬきィにィ、かッぱァ!」
「がるっ?ぐるる?」(←訳:ええっ?河童も?)

 空想上の動物も、
 實吉さんは動物としてカウントします。

 ヤマタノオロチ。
 因幡の白兎。
 鵺(ぬえ)に雷獣(らいじゅう)、
 巨大な妖怪ガマガエルだって
 見落としませんよ。

 なぜなら、
 彼らの存在にはちゃあんと”意味“がある、んですから。

「やまたのおろちィもォ、うさぎィさんもォ~」
「ぐるるがーるーるる!」(←訳:歴史のキーパーソン!)

 第一章『神話とともに始まった《日本》』は、
 古代から平安時代まで。

 第二章『人と動物のパートナー化が進んだ時代』は、
 鎌倉時代から室町時代まで。

 第三章『京都から江戸へ、文化の中心が大移動した時代』は、
 江戸時代を。

 第四章『日本、そして動物たちにとって大転換期の到来』では
 明治時代以降を。

 章ごとに描きながら、
 ときとして人間以上の活躍を見せる動物たち、
 文化史上に爪痕を残した動物たちを、
 實吉さんは丁寧に掘り起こしてゆきます。

 鹿たちが奈良の街を
 自由にそぞろ歩いているのは何故なのか。

 伝え継がれる養蚕の技術。

 現在は日本サッカー代表チームのエンブレムにもなっている、
 三本足の八咫烏(やたがらす)。

 調べてみても不明な点が多い《狐の嫁入り》。

「んむッ? これはァ~…?」
「がるるぐるる?」(←訳:戦場のワンコ?)

 本文120ページで紹介されているのは、
 ……日本初の軍用犬!

 武将・新田義貞(にった・よしさだ)さんの側近、
 畑時能(はた・ときよし)さんの愛犬である
 犬獅子(けんじし)くんは、
 敵陣偵察や、
 侵入もやってのけるスーパードッグだったといいます。

 つまり、
 日本で最初の軍用犬、
 もしくは忍犬?

「そんなァわんこがァ~…!」
「ぐるるがるるる?」(←訳:本当にいたんだ?)

 20世紀――昭和初期の東京では、
 或る動物がセンセーションを巻き起こしました。

 昭和11年7月、
 上野動物園の猛獣舎から、
 黒ヒョウくんが脱走したんです!

「ひええええェ~ッ!」
「がるぐるる!」(←訳:それヤバい!)

 有名な《黒ヒョウ脱走事件》の顛末を、
 私ネーさ、初めて詳しく知りました。
 これはびっくりしちゃうお話よねえ、
 上野周辺を東奔西走する黒ヒョウ捜索隊、
 なんと総勢700人!
 ラジオや新聞ではトップニュース!
 
「おおさわぎィでス!」
「がるるぐる!」(←訳:大混乱だし!)

 黒ヒョウくんは何処に潜んでいたのか、
 そしてその後の戦時下では、
 どのような運命が動物たちを待っていたのか……。

 神話の聖獣から、
 渋谷のハチ公くんまで、
 ヒトと動物の係わりを辿るこの御本、
 図版資料も多数掲載されていて、
 “見る”動物本としても楽しめますよ。
 動物好きな御方も、
 歴史好きな活字マニアさんも、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪


 
コメント
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