テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 祈りは何処へ ~

2020-08-15 22:16:27 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ほッきょくへェ、ゆきたいィ~ッ!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!南極でもいい!)

 こんにちは、ネーさです。
 75年前の今日8月15日は
 たいそう暑かったと伝えられていますが、
 2020年も暑い一日となりました……
 永く平和を希求しながらの
 本日の読書タイムは、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
   ―― 特捜部Q ― アサドの祈り ― ――



 著者はユッシ・エーズラ・オールスンさん、
 原著は2019年に、画像の日本語版は2020年7月に発行されました。
 原題は『OFFER 2117』、
 人気シリーズ《特捜部Q》の第8作目となる長編作品です。

「ぶあついィのでスゥ!」
「ぐっるるがるる!」(←訳:ずっしり重いよ!)

 思い返せば、シリーズ第一作目の
 『檻の中の女』では。

 新設部署の責任者として
 《特捜部Q》を率いることになった
 カール・マーク警部補が与えられたオフィスは、
 コペンハーゲン署の小綺麗な一室……ではなく、
 窓すら無い薄汚れた地下室、でした。

 しかし、第八作目となるこの物語――
 『アサドの祈り』の幕開けは、
 カール・マークさんと仲間たちが
 捜査の拠点としてきた地下のオフィスとは
 遠く離れた場所から始動します。

「たいようゥ、まぶしィ!」
「がるぐる!」(←訳:南欧だね!)

 スペインの北東部、
 バルセロナの市街地。

 将来に絶望し、
 すっかり思い詰めていた
 ジャーナリストのジュアン・アイグアデルさんは、
 ふとしたきっかけで
 難民問題の取材に活路を見出します。

 この取材をやり遂げたなら、
 俺もまだまだ捨てたもんじゃない!
 いっぱしの、いや、
 一流のジャーナリストになれる!

「ぎゃくてんのォ、ほーむらんッ!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:起死回生の一撃!)

 ジュアンさんは
 難民収容所があるキプロスへ向かい、
 本格的な取材に取り掛かります。

 そして、聞き取った取材の成果を
 次々と新聞に発表してゆくのですが。

「あれれッ?」
「がるるるるぐるるがる?」(←訳:どうしたのアサドさん?)

 取材先とは遠く離れた、
 コペンハーゲンの地で。

 新聞を目にして
 とめどなく涙を流したのは、
 《特捜部Q》の一員、
 アサドさんでした。

 カール・マークさんの助手であり、
 特捜部の活躍に寄与してきたアサドさんは、
 新聞に掲載された写真に
 過去からの声を読み取ったのです。

「だァれもォ、しらないィ~…!」
「ぐるるるるるがる!」(←訳:アサドさんの過去!)

 過去から現在へ、
 さらには未来へも続いてゆく
 悲劇の傷を癒し、修復すべく、
 カール・マークさんと《特捜部Q》の面々は
 立ち上がります。

 難民を生み出す紛争や内戦、
 戦争がもたらす憎悪の連鎖を断ち切るには、
 さて、どうしたらいいのか?

「かんじんなのはァ、やぱりィ!」
「がるぐる!」(←訳:現場です!)

 アサドさんの祈りは、
 はたして届くのか――

 エンターテインメント作品ではありますけれど、
 戦争の悲惨さ、虚しさを
 緻密に描き切った著者・オールスンさん渾身の一作は、
 ミステリ好きな方々のみならず、
 全活字マニアさんにおすすめです。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね。
 




   では、週末恒例のオマケ画像も、ここで!
   
   入手しました、冷感マスク!
   でも、ですね……
   「きおんがァ、たかすぎてェ~!」
   「ぐるがるるるる!」(←訳:よく分かんない!)
   秋よ早く来ておくれ、と切望する猛暑日……
   皆さま、御自愛しつつ、
   どうか穏やかな休日を。
 

 
 
コメント
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