テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 歴史の、ほんの一瞬 ~

2020-08-10 22:25:34 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きあいィ~さくれつゥ!でしたでス!」
「がるる!ぐるがるる!」(←訳:虎です!圧がスゴい!)

 こんにちは、ネーさです。
 昨夜8月9日放送の『半沢直樹』、
 面白くも凄まじい顔圧大会でしたわね……!
 俳優さんたちスタッフさんたちに感謝の拍手を送りながらの
 本日の読書タイムは、
 時代劇を想わせる勧善懲悪なスタイルに敬意を表し、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  


 
    ―― 時代小説 ザ・ベスト2020 ――



 編者は日本文藝家協会の皆さん、2020年6月に発行されました。
 2019年に発表された歴史時代小説の中から選出された
 短編作品11篇が収録されています。

 著者さんと作品は収録順に(せーの!)、

 奥山景布子さん著『太郎庵より』
 林真理子さん著『仮装舞踏会』
 村木嵐さん著『あかるの保元』
 蓑輪諒さん著『宇都宮の尼将軍』
 佐々木功」さん著『沈黙 細川越中守忠興御事』
 矢野隆さん著『鴨』
 植松三十里さん著『雪山越え』
 大塚卓嗣さん著『脱兎』
 川越宗一さん著『ゴスペル・トレイン』
 青山文平さん著『剣士』
 浮穴みみさん著『貸し女房始末』

 また、巻末には
 末國善己さんによる解説を兼ねたエッセイ
 『節目の時代に読者に夢を与える歴史時代小説』
 も載っていますよ。
 ふぅ~…(←やり遂げた感)。

「じだいィ、とォいッてもォ~」
「ぐるるるがる!」(←訳:いろいろです!)

 ええ、そうですね、
 平安時代から近代まで、
 物語によって
 背景となる“時代“はさまざまです。

 活字マニアさんには馴染み深い戦国時代、
 江戸時代の物語も魅力的ですが……

 ここは《話題のドラマ》つながり、ということで、
 林真理子さんの『仮装舞踏会』を
 ちょっとだけ御紹介いたしましょう。

「どらまァつながりィ~?」
「がぅるぐるる!」(←訳:じゃあつまり!)

 2018年のNHK大河ドラマの原作は、
 林真理子さん作『西郷(せご)どん!』でした。
 
 『西郷どん!』は、
 幕末から明治を背景とする長編作品で、
 主人公は、いうまでもなく
 西郷隆盛さん。

 そして、
 『西郷どん!』を書き終えた後、
 編集者さんに、
 スピンオフを!と請われ、執筆したのが
 『仮装舞踏会』であったそうです。

 短編作品『仮装舞踏会』での主人公は、
 “もうひとりの西郷どん”ともいうべき、
 西郷従道(さいごう・じゅうどう)さん。

 明治10年(1877年)の西南戦争から
 10年の時が過ぎた頃。

 従道さん(1843~1902)は、
 いまや押しも押されもせぬ明治政府の重鎮です。
 でも。

 なんでこんなもんが、と
 一通の書状を手に顔をしかめます。

 それは、招待状でした。
 来たる9月、
 鹿鳴館で舞踏会を催す。
 ぜひ出席賜りたい――
 差出人は外務大臣・井上馨(いのうえ・かおる)氏です。

「ろくめいんかんッ!」
「ぐるるぅがるる!」(←訳:いいなぁ舞踏会!)

 いえいえ、それがねぇ。
 生粋の薩摩男たる従道さんにとっては、
 男女が抱き合ってくるくる舞うとか、
 女性に礼をするとか、
 もんのすご~く高価なドレスだとか、
 正気の沙汰とは思えなくて。

 それでも、
 諸外国に後れをとってはならぬのだ、
 すべてお国にためだと自分を説き伏せては、
 舞踏会なるものに出席してきましたが。

 この上、
 仮装せよとは!

「えェ~? たのしそうゥでスよゥ!」
「がるるるぐるがるる♪」(←訳:仮装して踊るなんて♪)

 当日、ぷりぷり怒りながら、
 従道さんは鹿鳴館へと馬車を走らせます。

 なんと腹立たしく、忌々しいバカ騒ぎかと
 決めつけていた従道さんは、
 しかし、舞踏会場で
 意外な人物と再会することに……。

「ながれるゥ~おんがくゥ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:夕闇に点る灯!)

 明治という、
 日本史にも稀な時代の、ひとつの姿。

 『半沢直樹』に劣らぬ豪華な出演陣で
 ドラマ化してほしくなってしまう
 『仮装舞踏会』をはじめ、
 歴史好き&時代小説好きな活字マニアさんに
 おすすめしたい快作が並ぶ
 『時代小説ザ・ベスト』、
 書店さんや図書館で
 ぜひ、探してみてくださいね~♪
 
 
 
コメント
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