テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ガラス、その美 ~

2020-09-04 22:22:19 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 やまをォのぼッてェ~ふぃにッしゅゥ!」
「がるる!ぐるるーるがる!」(←訳:虎です!山頂ゴールです!)

 こんにちは、ネーさです。
 《2020ツール・ド・フランス》第6ステージのゴールは、
 彼方に地中海を望むが広がるモン・エグアル山頂でした。
 木漏れ日の並木道や、
 白い岩肌の崖、険しい坂……と、
 美しい南仏の風景を堪能した後は、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアートブックを、どうぞ~♪

  


 
   ―― ルネ・ラリック 北澤美術館所蔵 ――



 編者は北澤美術館の皆さん、著者は池田まゆみさん、
 2020年2月に発行されました。
 『RENÉ LALIQUE Kitazawa Museum of Art Collection』と
 英語題名が付されています。

 この御本は、
 東京都庭園美術館では2020年2月1日~4月7日、
 宇都宮美術館では2020年4月26日~6月21日に、
 そして今後は
 兵庫陶芸美術館へ巡回を予定している
 『ルネ・ラリック アールデコのガラス モダンエレガンスの美』展の
 公式図録なのですが、
 一般の書店さんでも取り扱われています。

「がらすのォ、まじゅつしィ~!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:工芸界の巨匠さん!)

 ルネ・ラリックさん(1860~1945)は、
 フランス北東部シャンパーニュ地方、
 マルヌ県のアイに生まれました。

 ちょうどいま、
 ツール・ド・フランスの選手さんたちが駆け抜けているのは
 風光明媚な南フランスの地ですが、
 シャンパーニュは、
 言わずと知れたシャンパンの産地!ですね。

 ラリックさんは、自然豊かなシャンパーニュの、
 母方の実家で祖父母に教育され、
 少年時代を過ごしました。

 おそらく、この、
 少年の頃に親しんだ”自然の美しさ“が、
 そののちの、
 アーティストとしてのラリックさんを
 形作った、のではないでしょうか。

「えェ? なんでェ?」
「がるるるぐるるる?」(←訳:どうして自然の美?)

 アールデコは
 直線と曲線の美。

 アールヌーヴォーは、
 流線と草花模様の美。

 などと形容されることがありますが、
 ラリックさんの作品は
 両方の要素を有しています。

 ガラスの大皿や、壺、照明器具。

 全体のシルエットは
 あっさりしているのに、
 ガラスの上にはツタがうねり、
 ワスレナグサが咲き、
 ツバメが飛び、
 蝶々が舞う。

 日本のリンゴの木、
 バラとユリの花、
 トンボ、孔雀、妖精といったモチーフも。

「どれもォ、かわいいィ~♪」
「ぐるがるるぐる!」(←訳:特に小鳥がいい!)

 アールヌーヴォーと
 地続きの、
 アールデコ。

 この御本では解説文で、

   前半生はジュエリー作家、
   後半生はガラスの産業芸術家

 とラリックさんを評していますが……

「りょうほうのォ、いいとこどりィ!」
「がるるぐるるがるる!」(←訳:そして工芸の頂点へ!)

 収録されている図版資料はとても精緻で、
 細部までくっきりと写っています。
 御本後半の略伝・年譜も分かりやすく、
 ラリックさんファンの方々は
 必見必読ですよ。

 コロナ禍の臨時休館や自粛で
 展覧会に行かなかったアート好きさんに、
 ガラス工芸好きな方々にも
 おすすめのアートブックです。
 本屋さんや図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪
 
 

  
 
コメント
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