テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ それは、海の彼方で ~

2020-09-17 22:24:30 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 のぼッてェ~くだッてェ~!」
「がるる!ぐるがるるるる!」(←訳:虎です!また登るんです!)

 こんにちは、ネーさです。
 《2020ツール・ド・フランス》第17ステージは、
 超級山岳2つの登攀を強いられる最難関ステージ!
 マクロン大統領も駆け付けての熱戦は
 見応えありまくりでした♪
 選手さんたちに労いの拍手を送ったあとは、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



      ―― サムライ留学生の恋 ――



 著者は熊田忠雄(くまだ・ただお)さん、
 2020年7月に発行されました。
 次代は明治――
 海の彼方で”恋に落ちた日本男児たち”をテーマにした
 ノンフィクション作品です。

「めいじのォりゅうがくせいィ、というとォ~…」
「ぐるるるるがるるる?」(←訳:森鴎外さんみたいな?)

 そうね、
 明治時代に海外へ留学して、
 そこで恋もしちゃって、
 大騒動になっちゃって……ってこれ、
 まず第一に思い浮かべるのは
 森鴎外さんのお名前ですけれど。

 著者・熊田さんは
 御本冒頭の『はじめに』で、
 石附実さん著『近代日本の海外留学史』を参照にしつつ、
 次のように述べています。

   海外留学のピークは、
   明治3年(1870)から同4年にかけてで、
   その数は350人から360人にのぼったという――

「さんびゃくゥごじゅうゥ??」
「がるるるぐる!」(←訳:そんなに大勢!)

 明治政府も思い切ったことするわね~と
 感心させられるものの、
 不安を覚えずにはいられません。

 言葉が通じない異国……
 食事は美味しくないし……
 文化や習慣は違うし……
 そんなところへ行って、
 学問を修めよ、
 技術を習得せよ、と命じられて……

「ううッ、すとれすゥでス!」
「ぐるがるっるぅーるる!」(←訳:凄いプレッシャーだよ!)

 出身地や年齢にバラつきはあっても、
 留学生さんたちは
 日々不安でたまらなかったことでしょう。

 そんな彼らの、
 揺れ動く心をなぐさめ、
 励ましてくれたのは。

「れんあいィ……!」
「がるぅ……!」(←訳:恋かぁ……!)

 第一章『ドイツ女性との恋』
 第二章『イギリス女性との恋』
 第三章『アメリカ女性との恋』

 と、3つの国ごとに、
 活写される留学生さんの恋模様は、
 離別もあれば、
 成就もあります。

「そのォなかでもォ、ちゅうもくはァ~…」
「ぐる!」(←訳:ここ!)

 本文40ページ、
 『ドイツ女性との恋』の章に収められているのは、

 《北白川宮能久親王と
  ベルタ・フォン・テッタウ》。

 なんと、
 明治天皇の叔父にあたる正真正銘の華族さまの
 プロシア(ドイツ)への留学、
 かの地での恋愛が描かれています。

 能久親王さまは、
 旧幕府軍に同調同行したために、
 ”朝敵”と目されたこともある
 一種複雑な経歴を持つ御方として知られますが、
 まさか、留学先で大恋愛をして、
 問題を起こしていたとは……!

「まわりはァ、はらはらッ!」
「がるっるぐるる!」(←訳:パニックだよう!)

 親王さまの恋の行方は――

 いえ、ノンフィクション作品であるとはいえ、
 これ以上の記述は
 ネタバレになってしまいますので、
 控えます、が。

 150年の昔、
 現代とはあまりにも多くの事柄が隔たっている中で、
 留学生さんたちが何を見、
 何を求めたか。

 もしかしたら、それは意外にも……

「いまもォ~おなじィ!」」
「ぐるる!」(←訳:かもね!)

 歴史好きな活字マニアさんに、
 ノンフィクション好きな方々にも
 おすすめの一冊です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 

 
 
 
コメント
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