テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 八面六臂のネコたち ~

2020-09-20 22:27:43 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 たたたたッたいへんでスよゥ~!!」
「がるる!ぐっるがぅーる!」(←訳:虎です!ビッグニュース!)
 
 こんにちは、ネーさです。
 《2020ツール・ド・フランス》第20ステージ、
 今大会唯一のタイムトライアルでは、
 21歳の新星タデイ・ポガチャルさん(国籍はスロベニア)が
 歴史的な大逆転で首位に躍り出ました!
 しかも、マイヨポワ(山岳賞)と
 マイヨブラン(ヤングライダー賞)も獲得!……って、
 超人か!!と度肝を抜かれましたが、
 さあ、ここからは読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
     ―― 世にもふしぎな化け猫騒動 ――



 訳・解説は今井秀和(いまい・ひでかず)さん、
 2020年7月に発行されました。
 
 先日ご紹介しました
 大島健夫さん著『外来生物のきもち』では、
 在来生態系の脅威であり、
 侵略的外来種ワースト100入り!
 という驚きの事実が明らかにされた生きもの――
 それは。

「にゃんこッ!」
「ぐるるる!」(←訳:イエネコ!)

 まさか、ネコたちが。
 外来種で、環境の脅威だとは。

 でも、まあ、よ~く考えてみると。

 確かに、ネコって外国からやって来た、のよね。

「むかァ~しィむかしィはァ~…」
「がるるっる!」(←訳:いなかった!)

 御本冒頭の『はじめに』では、
 日本の《ねこ史》について触れられています。

 『古事記』や『日本書紀』、
 『万葉集』などにも
 猫の記述は一切なし。
 
 猫についての記述が登場するのは、
 平安時代になってからで、
 『日本霊異記』が初である、と。

「ようやくゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:出番だよ!)

 初登場となる『日本霊異記』で、
 しかし、ネコたちは
 離れ技をやってのけます。

 いきなり、転生譚!

「あはァ! はやッてまスねッ!」
「がるるるるぐるがっる!」(←訳:転生したら〇〇だった!)

 近年流行の、
 転生したらスライムだったり、
 魔王や悪女や魔法使いだったりする物語を、
 いち早く体現していたのは、
 ネコ、だったのでしょうか。

 この御本では、

 Ⅰ『しゃべる猫』
 Ⅱ『古代・中世の猫』
 Ⅲ『江戸期の猫』

 と、3つのパートに分けて
 ネコたちが登場する伝説、説話集、随筆などが
 現代語訳文とともに
 収録されています。

「いッちばんッじゅうじつゥ、してるのはァ~…」
「ぐっるるがる!」(←訳:やっぱり江戸!)

 ええ、質量ともに、
 《ネコ異聞》が花盛りを迎えるのは、
 やはり江戸時代ですね。

 伝説になってしまうほどのネコといえど、
 中世の頃には、
 シッポはシッポのまま。

 ネコのシッポが二又に割れて、
 《猫又》なる妖怪に変化するのは、
 もっと時代が下ってからのことで。

 江戸期になると、
 《化け猫》も《猫又》も《怪猫》も、
 一気にメジャーに!

「おしばいィにィ!」
「がるるる!」(←訳:百物語に!)

 名刀《猫丸》命名のエピソード。

 ネコの置物――招きネコは
 いかにして誕生したのか。

 可愛い子ネコが焼きおにぎりをパクリ!としたら、
 ああら不思議、
 そこに大猫が? 

 そして、あの有名な、
 鍋島家の化け猫退治。

「ふゥ! だいにんきィ!」
「ぐるる!」(←訳:大活躍!)

 良くも悪くも引っ張りダコ、
 八面六臂の活躍をみせてくれる
 文学の中のネコたち。。

 日本のネコ史が俯瞰できる
 御本巻末の『おわりに』も必読の一冊は、
 ネコ好きさん、
 怪談好きな活字マニアさんにもおすすめですよ。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 
 
 
  
コメント
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