テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ いま、光の幕が上がる ~

2020-09-09 23:28:11 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 せんしゅさんもォ、すたッふさんもォ、がんばッ!」
「がるる!ぐるるるる!」(←訳:虎です!めげないで!)

 こんにちは、ネーさです。
 休息日明けの《2020ツール・ド・フランス》は、
 選手さんたち全員のPCR検査結果が陰性と判明して、
 ホッとひと安心……と思ったら、
 なんと大会ディレクターさんに陽性反応が出、
 自主隔離へ?
 予想外の出来事に動揺を抑えきれませんが、
 とにかく選手さんスタッフさんの無事を願いつつ、
 さあ、気力を奮い起こして読書タイムです……!
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



 ―― 華麗なる『バレエ・リュス』と舞台芸術の世界――



 解説・監修は海野弘(うんの・ひろし)さん、
 2020年8月に発行されました。
 『The Great ”Ballets Russes ”and Modern Art』と英語題名が、
 『ロシア・バレエとモダン・アート』と
 日本語副題が付されています。

「おッ、おもいィ~!」
「ぐる~!」(←訳:厚い~!)

 はい!
 海野弘さん監修のもと、
 パイインターナショナルさんから刊行されている
 《夢見るアートブック》シリーズの最新作は、
 シリーズ最厚!
 重い!
 なおかつ、
 重さに相応しい内容超充実ぶりですよ。

「そこはァ、はなのォみやこォ……!」
「がるるぐる!」(←訳:憧れのパリ!)

 20世紀初頭、
 ロシアからやって来た『バレエ・リュス』は、
 フランスに、いえ、欧州全体に
 大きな衝撃をもたらしました。

 それは、一言でいうと……

「こんなばれえェ、みたことォないィ!」
「ぐるる!」(←訳:魂消た!)

 セルゲイ・ディアギレフさん(1872~1929)。
 彼が率いるバレエ団の公演は、
 当初はロシアの文化を色濃く打ち出したものでしたが、
 やがては欧州の一流芸術家さんたちの協力を得て、
 世紀を象徴するムーブメントへと
 転換してゆきます。

 ピカソさん、シャネルさん、
 バクストさん、ストラヴィンスキーさん。
 さらには、
 バレエ団の柱ともいうべき伝説のダンサー――
 ニジンスキーさん、タマーラ・カルサ―ヴィナさん、
 レオニード・マシーンさんたちなしに
 現代のバレエを語ることはできません。

「いしょうゥ、すばらしいィでス!」
「がるるるる!」(←訳:舞台美術も!)

 この御本では、
 
 第1章 銀の時代――ロシアの世紀末『バレエ・リュス』の源泉

 第2章 『バレエ・リュスの時代』1909-1929 ロシアから世界へ

 第3章 『バレエ・リュス』と同時代の舞台美術

 と3つの章に分けて、
 『バレエ・リュス』に於ける
 舞台美術の軌跡が描かれています。

 とりわけ驚倒させられるのは、
 第2章の『バレエ・リュス』最盛期!
 衣装デザイン画の革新度の高さ!

「いまァみてもォ~」
「ぐるがるるる!」(←訳:全然古くない!)

 100年前のデザイン画なのに、
 今も変わらぬ”新しさ“を
 私たちに伝えてくれるのは、
 海野さんの頼れる解説文と、
 デザイナー原条令子さんによる妖美な装幀です。

 1ページ1ページごとの、
 これしかない!な配色と、
 こう来るか!な意匠は、
 眼福としか言いようがなくて。

「ますますゥきたいィ、しちゃうゥのでスゥ!」
「がるるぐるるる??」(←訳:次作はどうなる??)

 晩年のディアギレフさんは、
 情熱の対象を
 バレエからオペラに移していたといいます。

 もしも、ディアギレフさん版の豪壮な《指輪》や
 『魔笛』『椿姫』が創られていたら……?
 などと楽しく夢想させられるアートブックは、
 全活字マニアさんにおすすめですよ。

 書店さんのアート本コーナーで、
 ぜひ、探してみてくださいね♪

 
 
 
コメント
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