テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 筋金入りの《悪党》列伝 ~

2020-09-29 22:34:02 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もんぶらんッ!」
「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!栗ごはん!)

 こんにちは、ネーさです。
 秋らしく、栗を使ったお料理やお菓子が
 デパ地下やコンビニで目立つようになってきましたね。
 そこで、本日の読書タイムは、
 栗のお菓子……ではなく、
 まるで栗のような頬っぺたをした偉人さんが登場する
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  



     ―― 悪党たちの大英帝国 ――


 
 著者は君塚直隆(きみづか・なおたか)さん、
 2020年8月に発行されました。
 
 《悪党》といってもそれは、
 『悪事を働く者の集団』や
 『悪事を働く個人』ではない――

 と、御本冒頭の『はじめに』で
 著者・君塚さんは述べています。

 権力を持つ体制側の人間、に見えても、
 その本質は“アウトサイダー”。

 そして、
 彼ら《悪党》こそが歴史を動かす、と。

「たとえばァ、それはァ~…」
「ぐるるる!」(←訳:こんな人!)

 ヘンリー八世
 (1491~1547、在位期間1509~1547)。

 この御本では、
 7人の《悪党》が取り上げられていますが、
 第一章の主役として登場するのが、
 ヘンリー八世です。

 ええ、もう説明の必要はありませんよね。
 6人の奥さんを、とっかえひっかえ。
 奥さん以外の、愛妾も数知れず。

 また、よく知られているように、
 奥さん2人を処刑し、
 聖職者さん200人以上、
 貴族は20人以上、
 他に、政府の高官や、側近などなど、
 いったい何人を処刑台へ送ったのか……。

「あくとうゥでスゥ!」
「がるる~!」(←訳:鉄面皮~!)

 しかし、私ネーさが驚いたのは、
 ヘンリー八世のさらなる側面――
 お金遣いの荒さ、です。

 宝石を縫い付けたセーブルやヤマネコのガウン、
 79着。
 最高級素材で作られたタブレット(上着)、
 134着。
 
 たった1年の間に、
 シャツ200着、
 帽子37個を仕立て、
 タイツに靴下にサテンの靴に
 スリッパにブーツに……

「ふわわわァ~…」
「ぐるる~…」

 王様のタブレット1着が匹敵するのは、
 庶民の上着100枚、いえ、1000枚でしょうか。
 とにかく、
 ヘンリー八世の衣装代が
 天文学的数字に上ったことは間違いありません。
 
 もしもヘンリー八世が
 マリー・アントワネット妃と同時代に生きていたら、
 英国でも大革命が起きていたんじゃないかしら。

「たぶんッ、おきてたのでスゥ!」
「がるるぐるるがるるる!」(←訳:国中で反乱の火の手が!)

 《悪党》認定度100%の
 第一章『ヘンリー八世』に続いて、

 第二章『クロムウェル』
 第三章『ウィリアム三世』
 第四章『ジョージ三世』
 第五章『パーマストン子爵』
 第六章『ディヴィッド・ロイド=ジョージ』
 第七章『ウィンストン・チャーチル』

 と、君塚さんは
 選び出した7人の《悪党》の経歴、
 偉人としての功績、
 《悪党》としての“負の勲章“の履歴を
 次々と挙げてゆきます。

「はてしなきィ~よくぼうゥ?」
「ぐる!」(←訳:執念!)

 かれらのどんな所が、
 《悪党》にカテゴライズすべき理由になるのか。

 彼ら《悪党》のもとで、
 英国はどう成長を遂げてきたのか。

 歴史好きな活字マニアさん、
 英国史好きな方々にも
 おすすめのノンフィクション作品ですよ。
 巻末の『おわりに』までを含め、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪



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