テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 東京に、生きる ~

2020-10-02 22:24:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ゆれるゥ~すすきィ!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!河原でゆさゆさ!)

 こんにちは、ネーさです。
 お月見の宴が過ぎても、
 近所の河川敷では
 ススキの穂が波のように揺れていますよ。
 これも秋の風物詩だなぁ~と眺望を楽しみながら、
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
      ―― 東京老舗の名建築 ――



 著者は二階さちえ さん、2020年6月に発行されました。
 ↑この題名と、表紙のお写真から、
 ええ、分かっちゃいますよね。

「とうきょうゥ、ッてェいうよりィ~…」
「ぐるるがるる!」(←訳:これはお江戸!)

 江戸の町景色とは
 こういうものだったろうか、と
 観る者の空想力を掻き立てる
 由緒ある東京の名建築。

 古い建築物なんて
 そこらじゅうにあるさ、というのは、
 ここ日本に於いては、
 言いたくても言えないセリフなのですが、
 何故ならば――

「もくぞうゥ、なのでス!」
「がるぐるるる!」(←訳:火に弱いんだ!)

 御本冒頭の『はじめに』で、
 著者・二階さんは分析しています。

  東京には
  江戸の味を今に伝える老舗飲食店が
  たくさんあるけれども、
  創業当時の姿を留めているお店は
  数少ない……。

  その理由は、3つ。
  
  一つ目は、関東大震災。
  1923年(大正12年)9月に起こった地震により、
  首都圏とその周辺の建物10万棟以上が
  倒壊したり、
  火災で焼失したのです。

  二つ目は、東京大空襲。
  1945年(昭和20年)の
  アメリカ軍による爆撃は
  東京区部だけでも60回以上も行われ、
  首都・東京の木造建築の多くが
  炎に呑み込まれてしまったのでした。

  そして三つ目は、
  1986年(昭和61年)から
  1991年(平成3年)にかけての
  バブル景気。
  都心の土地は法外な値段で売却され、
  新しいビルに建て替えられることに……。

「うううゥ! もッたいィないィ~!」
「ぐるがるぅ!」(←訳:残念だよう!)

 地震と、戦争と、バブル景気。
 3つの災難を乗り越えた建物は、
 少数ではありますが、
 存在します。

 表紙を飾る、
 『虎ノ門大坂屋砂場』さん。

 日本最古といわれる居酒屋、
 神田の『みますや』さん。

 江戸川乱歩さんも通った
 古書店街の天麩羅屋
 『はちまき』さん。

 モザイク壁画が
 暖色の照明に浮かび上がる
 『ビヤホールライオン銀座七丁目店』さん。

「うゥ~むゥ! どのォおみせもォ~」
「がるるぐる!」(←訳:お見事です!)

 地震や戦災に屈せず
 世紀を超えて生き残った建物は
 奇跡のような存在です。
 それにまた、
 建物を守り、
 維持してきた各お店の継承者さんたちも、
 奇跡的な存在でしょう。

 第1章では神田・根津、
 第2章では人形町・銀座・渋谷、
 第3章では浅草・森下、と
 東京の町に点在する
 名建築たちのあで姿を、
 皆さま、ぜひ、ご覧になってくださいね~♪

  
 
コメント
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