テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ つもりつもりゆく雪 ~

2020-10-11 22:15:59 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 くんくんッ! よいィかおりィ~!」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!旬だね~!)

 こんにちは、ネーさです。
 長野県産のリンゴ《秋映》が
 フルーツ売り場を紅色に染めたら、
 秋も深まってきたしるしですね。
 リンゴの香りにうっとりしながら、
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  



      ―― 図書館の子 ――



 著者は佐々木譲(ささき・じょう)さん、
 2020年7月に発行されました。
 影山徹さんによる幻想的な表紙装画には
 目を奪われてしまいますね♫

「さッ、さむそうゥ~!」
「ぐるるがる?」(←訳:季節は真冬?)

 この御本に収録されているのは、

 『遭難者』
 『地下廃駅』
 『図書館の子』
 『錬金術師の卵』
 『追奏ホテル』
 『傷心列車』

 という短編6作品です。

 収録順に読むのもよし、
 題名が気になった作品から読むのもよし……
 ですが、ここは、
 表紙画中央の情景に敬意を表し、
 また、表題作品でもある
 『図書館の子』
 から読み始めてみましょうか。

 そこは、北国らしき、或る町――

「きたかぜェ、つよいィ~でス!」
「がるるぐるるがるる!」(←訳:朝から気温も低いよ!)

 寒い戸外へ、
 厚いコートを着て、
 ゴム長靴をはいて、
 ひとりの少年が出掛けてゆきます。

 少年の名は、クルミ。

 いえ、本名じゃありません。
 目や髪の色がクルミ色をしているので、
 お母さんや叔母さん、
 同級生からも、
 クルミ、と呼ばれているのです。

「くるみくんッ、どちらへェおでかけェでスかッ?」
「ぐるがる?」(←訳:学校かな?)

 学校へ行って、
 その後は、
 お母さんが迎えに来てくれるまで、
 叔母さんの家で過ごす、のが
 クルミ少年の習慣です。

 けれども、
 叔母さんがお仕事で忙しい今日、
 う~ん、クルミ少年は
 どこで過ごしたものか……?

「あッ! そうだッ!」
「がるるるる!」(←訳:閃きました!)

 お母さんが思いついたのは、
 図書館。

 お母さんが迎えに行くのを、
 図書館で待っていればいい、と。

 言われた通り、
 学校の授業が終わって、
 クルミ少年はひとり、
 図書館へ向かいますが。

 朝方からの風はいっそう強まり、
 雪も激しさを増すばかり。

「どうしようゥ~…!」
「ぐるがる!」(←訳:不安だよ!)

 クルミくんと、図書館。

 そこで奏でられる
 不思議な旋律は、
 他の5つの物語の奥底でも
 確かに響いているようです。

 著者・佐々木さんのファンの方々はもちろん、
 ミステリアスなお話が好きな活字マニアさんにも
 おすすめの一冊です。
 クルミ少年を描いた愛らしい表紙画を目印に、
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 
 
コメント
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