テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 若君に 知恵ありや ~

2020-10-20 23:43:35 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 おかえりィなさいッ、みゅうじッくゥてィ~!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!華麗なる転職!)

 こんにちは、ネーさです。
 NHK朝ドラ『エール』の大人気キャラ、
 ミュージックティーチャーが
 タロットティーチャーへと変身して帰ってきました♪
 明日以降も大活躍してくれることを願いながら、
 さあ、ここからは読書タイムです。
 本日は、“華麗”つながりで、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

    ―― 探偵は御簾(みす)の中 ――



 著者は汀こるもの さん、2020年5月に発行されました。
 『検非違使と奥さまの平安事件簿』と
 副題が付されています。

 表紙はコミック風のイラストで、
 題名・副題からは時代背景や設定もわかりやすくて、
 全体にポップなデザインの文庫で、
 となると、
 ああ、これってライトノベルなのね、と
 思われる御方もおられましょうが……

「だまされてはァ、いけないィのでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:クセ者だよう!)

 著者・汀(みぎわ)さんの
 メフィスト賞を受賞したデビュー作
 『パラダイス・クローズド』は
 堂々たる本格ミステリでした。

 なので、私ネーさ、邪推いたしましたよ。

 あの怪作をモノした作家さんが、
 フツーの平安王朝ミステリを書くはずはないわ!

「そしたらァ、やぱりィ!」
「がるる!」(←訳:来たね!)

 名家の次男坊ちゃまであるせいか、
 のんびりと優しい性格の、
 祐高(すけたか)さん。

 同じく名家のお姫さまの、
 頭脳明晰、文才も豊かな、
 忍(しのぶ)さん。

 このおふたりは、
 大恋愛の末……ではなく、
 それぞれのお家の都合で、
 結婚するに到りました。

「つまりィ~…」
「ぐるがる!」(←訳:政略結婚!)

 オトナたちの駆け引きで
 仕立て上げられた婚姻、ではあったものの、
 若君・祐高さんと
 姫君・忍さん、
 意外にも相性が良かったようです。

 結婚以来、8年。
 家の内に波風が立つこともなく、
 祐高さんは順調に出世して、
 いまや、都の平穏の守り手――
 検非違使のトップ!

 朝廷の重鎮のひとり、
 と言える立ち位置です。

「わおゥ! はくしゅゥ!」
「ぐるっるるる!」(←訳:頑張ってるね!)

 検非違使のお仕事はハードワーク。

 忍さんの出産を祝って宴三昧したくとも、
 呼び出されれば
 事件現場に急行しなくてはなりません。

 そして、
 厄介な人間関係を上手に捌きつつ、
 犯人を特定し、
 人びとの不安を取り除かなくては。

「でもォ、このォじけんッ!」
「がるるるるるるぅ~…」(←訳:入り組んでるなぁ~…)

 忍さんの知恵を借り、
 自分自身でも頭脳をフル回転させ、
 祐高さんは事件の解決……というより、
 “穏便な着地点“を探し求めます。

 都の平穏平和を守り抜くためには、
 裏ワザの一つや二つ、
 使いこなさねば……!

「つかいィこなせてるゥ?」
「ぐるがるるるるるる!」(←訳:いや振り回されてる!)

 姫とふたりで、
 ときには独りで、
 祐高さんが見る平安朝の物語とは。

 《王朝ロマン》あるいは《王朝ミステリ》の
 パロディ作品とも取れる
 “変調安楽椅子探偵物語“は、
 歴史ミステリ好きさんに
 おすすめですよ。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 
 
 
コメント
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